橘田健人がもがいている。鬼木達監督も「彼の成長がチームの成長になる」とそのポテンシャルに期待を隠さないが、突き抜ければ大ジャンプは確実な存在。ミスを恐れず堂々と。それが、若きアンカーの飛躍のカギだ。

上写真=橘田健人の魅力は圧倒的な守備。そこに攻撃のパワーを加えていく(写真◎J.LEAGUE)

「怖い選手になっていかないと」と鬼木監督

 1-4で大敗した4月2日のセレッソ大阪戦で、橘田健人は前半のみのプレーに終わった。昨季半ばから台頭してぐんぐん成長し、今季はアンカーのファーストチョイスとして開幕戦以外はフル出場を続けてきた。それが、45分で交代。

「自分で引き出すプレーを恐れすぎて、なかなかうまく絡んでいけないので代わったと思います。オニさん(鬼木達監督)ともセレッソ戦のあとに話をして、ミスを恐れずに思い切りやっていこうと言われて、それを意識しながら磐田戦に臨みました」

 恐れ。成長の過程には必ず現れる「魔物」といっていいかもしれない。

「積極的にボールを受けにいかなかったり、もらっても安全に後ろとか横にパスを出すことが続いていて、それが原因だと思います」

 鬼木監督は橘田が、まさに現在進行形で成長の大きなステップを踏んでいることを感じている。

「できることが増えてきている中で、僕たちもそうですけどいろいろな人の期待が大きくて、そういうプレッシャーもあると思っているんです。本人にもそういう話をしています。技術的なところは時間が必要ですけど、意識によって変わることができるのは健人にとって大きな要素だと思っています」

 選手としての幅を広げる作業の真っ最中だ。鬼木監督が続ける。

「要求が高くなれば当然、エラーも出ます。だから、もっともっとチャレンジした上でのエラーを増やしてほしいんです。彼の成長がチームの成長につながるのは間違いないですから、もっともっと貪欲になってもらいたいと思います」

 高い要求の一つが、恐れずに勝負のパスを出すことだ。橘田もそこが課題と自覚する。

「磐田戦でも、前に入れるパスの回数が少なかったと思いました。自分のところからも、横ばかりではなくゴールに向かうパスを増やしていきたい」

「(鬼木監督とは)攻撃面に関していろいろな話をしていて、大きな課題だと思っています。もっと自分が中心になってボールを動かしたり、ゴールに直結するパスを出せれば」

 鬼木監督も攻撃面でのスケールアップを促していることを明かす。

「本人にも言っていますし映像でも出します。あのポジションは肝になるところですからね。怖い選手になっていかないといけないと思いますし、逆に守備については彼に助けられている場面は数多くあって、守備範囲もスピードも予測も、なかなかああいう選手はいないです。では、攻撃ではどうなのか、といったら、彼に代わっていろいろ能力を出せる選手もいるわけです。だからそこで負けないように、欲を持ってチャレンジしてほしい」

 次の相手は柏レイソルだ。細谷真大、マテウス・サヴィオ、戸嶋祥郎、中村慶太、ドッジ、小屋松知哉などなど、攻撃陣が好調だ。「攻撃のスイッチが入ったら勢いよく人が後ろから湧いてくる」という印象を持っているというが、それは橘田にとっては好都合。守備の強みを生かして攻撃につなげることで、恐れを打ち破るきっかけをつかみ取るチャンスになるからだ。

「ミスを恐れずに縦パスを入れていきたい」

 橘田がボールを持った瞬間、勝負のパスに注目だ。成功したら、スタンドから万雷の拍手をぜひ何度でも。


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