3月26日のJリーグYBCルヴァンカップ第3節で湘南ベルマーレはFC東京に1-2で敗れてこの大会初の黒星を喫した。それでも反撃のゴールを決めたことはポジティブだ。豪快にたたき込んだ池田昌生は、そのゴールが示すとおりの「大胆さ」を苦しむチームに求めている。

上写真=77分に1点を返した池田昌生が急いでボールをセンターサークルに運ぶ。豪快なゴールだった(写真◎J.LEAGUE)

■2022年3月26日 JリーグYBCルヴァンカップ第3節(味スタ/6,829人)
FC東京 2-1 湘南
得点者:(F)安部柊斗、三田啓貴
    (湘)池田昌生

「そうじゃないと怖くない」

 湘南ベルマーレというチームで奪ったゴールだった。池田昌生のルヴァンカップ2試合連続となる77分のゴールのことだ。

「ゴールシーンだけではなく、ゴール前にスプリントして入っていこうと強い気持ちを持っていました。コーチングスタッフに自分の強みであるスプリント能力やスピードを生かすのはそういうところだよ、そうじゃないと相手にとって怖くないと言ってもらいました。今日はそこを意識したので、ゴールにつながって良かった」

 タリクが左サイドに展開して、高橋諒がマイナスに折り返した。そこに誰よりも早く入り込んだ池田が、スピードをそのままパワーに変えて左足で豪快にゴールに突き刺してみせた。スタッフのアドバイスの通り、スプリントが生きた。

 これが今季の公式戦で4試合目の出場で、リーグは京都サンガF.C.戦のみ、残りはルヴァンカップだ。ルヴァンカップでは2勝しているものの、リーグでは勝ちはなし。まさにこのゴールに見られたような「大胆さ」に欠けているのだとチームを鼓舞する。

「大胆さが足りないとやっていても思うし、見ていても思います。消極的なプレーをしている印象を感じているので、もっと強気にミスを恐れずにやってもいい。そういう気持ちを全員が持ってプレーすればより良い結果になると思います」

 17分には福島隼斗の右からのクロスにファーサイドで思い切り左足ボレーを狙ったり、54分にも相手の軽率なプレーからカウンター、最後は池田がフィニッシュするシーンもあった。交代選手が次々と送り込まれてチームがリフレッシュすると、押し込む時間が長くなって、1点を返すところまで持ち直した。やられっぱなしだったわけではない。だからこそ、勝負の際で歓喜と絶望を分ける「気持ち」を見つめ直す。

「きれいにプレーしようとしているというか、きれいごとではサッカーでは勝てないですからね。目の前の相手に勝つとか気持ちで負けてはいけない。そういう部分は大事なんじゃないかと思っています」

 湘南は伝統的に、気持ちの強さを余すところなくチームの勢いに結びつけるのが得意だ。そのチームカラーをもう一度思い出すときが来ている。池田の大胆で抜け目なく、気持ちのこもったゴールがそれを示していた。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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