ガンバ大阪の2022シーズン初勝利に貢献したのは、不退転の覚悟で臨む高卒プロ5年目のジョーカーだった。途中出場から3分後に決勝ゴールをマークした福田湧矢が試合後、口にした熱い言葉とはーー。

上写真=値千金のゴールをスコアした福田湧矢(写真◎山口高明)

■2022年2月26日 J1リーグ第2節(@埼スタ/観衆16,121人)
浦和レッズ 0-1 ガンバ大阪
得点者:(ガ)福田湧矢

今年こそ、という思いは強いです

 ピッチの脇で準備を整え、いつでもゲームに入る用意をしていた。緊迫感が漂うベンチから福田湧矢が名前を呼ばれたのは、試合の終盤だった。80分、エースの宇佐美貴史に代わり、G大阪の前線へ。託された仕事ははっきりしていた。プレスの足を止めず、攻撃で決定的な仕事をこなすことだ。

 片野坂知宏監督から送り出された3分後。不意に訪れた絶好機を逃さなかった。83分、味方のトラップミスでこぼれたボールに素早く反応し、すかさずダイレクトでミドルシュート。迷いはなかった。DFの寄せが遅れたこともあり、シュートは相手がたまらず出した足に当たり、コースが変わった。

「自分のところにこぼれてきたので、打ちました。打ったら入った」

 言葉で説明するのは簡単ではあるが、一瞬の判断が勝負を分けたと言っていいだろう。今季はゴールへの意識を強く持ってシーズンに入った。昨季はケガにも悩まされて、14試合に出場してノーゴール。ゼロの数字が気にならないわけがない。

「今年こそ、という思いは強いです。結果が出てよかったです。シーズン序盤で点を取れたことは自信になります」

 片野坂監督の信頼を勝ち取る上でも、貴重な一発となったはずだ。ただ、福田本人が何よりも喜んだのは、新指揮官の初勝利に大きく貢献できたこと。

「本当に熱い監督なんです。ガンバを変えたい、勝たせたい、という思いが伝わってきます。いまガンバの選手たちはみんな、片野坂監督を勝たせたいという気持ちになっていると思います」

 自らのゴールを振り返るときよりも、言葉には熱がこもっていた。大分から戻ってきた熱血漢の思いは、チーム全体に浸透しているようだ。戦術理解度がより深まり、強いガンバに戻るまでには、そこまで時間はかからないかもしれない。3月からの躍進に期待が高まる。

取材◎杉園昌之 写真◎山口高明


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