名古屋グランパスはJ1開幕戦でヴィッセル神戸に2-0で勝利し、幸先の良いスタートを切った。チームとして万全な状態ではなかったものの、しっかり勝ち切ったことは大きかった。23日のルヴァンカップ・清水エスパルス戦を前に取材に応じたCBの中谷進之介も大いなる可能性を感じていた。

上写真=ファン・サポーターと勝利の喜びを分かち合う中谷進之介(写真◎J.LEAGUE)

チャレンジする意志を見せられた

 開幕戦、名古屋のトライは成功した。長谷川健太監督が率いるようになり、チームは昨季に比べてよりはっきりとベクトルを前に向けて、言わば『攻撃的』な守備を試みるようになった。果たして神戸に2-0で快勝。CBとして先発した中谷もポジティブな感覚を持っていた。

「1点目については健太さんの言う『ファストブレイク』ができていた。チーム全体でもチャレンジする意志が見せられたことは良かった」

 マテウスが敵陣で鋭いアプローチを見せ、相手DFの大崎玲央からボールを奪って左に開く酒井宣福に展開。クロスに仙頭啓矢が飛び込み、そのこぼれ球を新キャプテンの稲垣祥が蹴り込んだ。ボール奪取からフィニッシュに至るまで、まさに電光石火。前向きなプレーの連続が生んだゴールだった。

 新生グランパスの目指すところがピッチに表れたと言っていい。しかしながらそれはしっかり準備した上で生まれた形ではなかった。長谷川監督は開幕戦について「ぶっつけ本番」だったと説明したが、稲垣祥とレオ・シルバがボランチコンビを組んだのもほぼ初めてなら、中谷とチアゴのセンターバックコンビもほぼ実戦の機会なく公式戦に臨んでいた。

「(選手が)代わったのはチアゴだけなので、(右サイドバックの宮原)和也と(左サイドバック吉田)豊くんとは問題はないと思っていました。その中で僕とチアゴは合わせられないと問題が生じる。結果としては悪くなかったと思います。試合中にコミュニケーションを取りながらできたし、彼の強さを生かしながらやれたと思う」

 新型コロナウイルスの影響でチームはキャンプ中に活動停止になり、開幕前の実戦機会は限られた。中谷自身は代表活動もあり、チームの始動から最初の1週間を過ごしたものの、再合流したのは今月6日。ただ、時間がないならないなりにできることの最大化を心掛けて臨み、果たして無失点勝利を実現してみせた。スタートしては最高の形になったと言える。

 前からボールを奪いにいくアグレッシブな守備、全体が下がりすぎないことに気を配るライン設定、そしてレオ・シルバの存在を生かしたビルドアップ。昨季からの上積みを開幕戦で示したが、それらがまだこのチームが目指すところの初歩の初歩であることも中谷を理解する。重要なのは、これから。「健太さんという新しい監督が来て、新しいチャレンジをしている中、その最初でああいう試合ができたのは良いトライだったのではないかと。これを続けていくことで新しい名古屋を見せられると思っています」。中谷はチームの今後に大きな期待を寄せていた。

 中3日で臨む明日のルヴァンカップ清水戦がどんなメンバーになるかは分からないが、メンバーが入れ替わったとしてしっかりチームのコンセプトを実践し、さらなる成長を機会としたいところだ。


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