長谷川健太監督が、名古屋グランパスでのキャンプを始めた。1月24日の初日から「しっかりと汗をかく」トレーニングを課すなど強度は高く、「開幕まで時間があるわけではない」と急ピッチでチーム作りを進めていく。

上写真=長谷川健太監督はまず、前に進む意識を選手たちに植えつけるところからスタートした(写真◎スクリーンショット)

「開幕まであまり日数がない」

「地獄のキャンプ、というイメージではないですよ」

 長谷川健太監督は名古屋グランパスで初めて迎える沖縄キャンプを、そう表現した。初日から強度の高いトレーニングを組み込んで、長澤和輝も齋藤学もオンライン取材に答えて「きつかった」と笑った。長谷川監督には「休み明けで移動のあとなので汗をかいて体を動かして、少し心肺機能に(負荷が)くるような、少し刺激を与える形のトレーニングでした」という意図があった。

 ただ、それだけで終わりではなかった。「ゲーム形式でも練習したので、少し戦術的というか狙いを植えつけるような意図でトレーニングしました」という。その狙いとは「前へ」。

「背後へ抜け出してからという得点は昨シーズンは少なかったと思います。そういうゴールを増やしたいと思っています。もちろん、裏、裏、となってしまっても(崩すのは)難しいので、手前と背後の使いわけを前提としますが、そのためにも裏へ出す意識がないと手前を使えません。意識の植えつけと、出し手と受け手の技術の底上げを狙っていきたい」

 ダイナミックに背後のスペースへと抜け出すアクションが少ない。あるいは、せっかく動いているのに、そこにボールを出していかない。意識と技術の両面から「まず背後」を意識させ、相手の守備ラインの手前側への警戒を緩めさせてそこを突く。あるいはその逆。そんなイメージを浸透させるためにも、まずはディフェンスラインの向こう側を最初の共通ターゲットにするということだ。

 幸いにもこのチームには背後のスペースに潜り込むのが得意な選手が多いし、その手前のエリアを得意にする選手もいる。前者では例えば、金崎夢生や柿谷曜一朗、齋藤学、相馬勇紀などが挙げられるし、後者は稲垣祥や長澤和輝、阿部浩之、新加入の仙頭啓矢など多士済々だ。マテウスなどはそのどちらででも威力を発揮する万能型だ。

「開幕まであまり日数がないので、このキャンプでどこまで仕上げることができるか。自分の戦術をどこまで落とし込めるかにかかっています。本当に開幕に向けた大事なキャンプという位置づけにしたいと思っています」

 健太スタイルを共有する作業は急ピッチ。2月6日の沖縄キャンプ最終日までにみっちり仕込んで、2月19日にヴィッセル神戸を迎える開幕戦でその姿を披露する。


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