法政大から川崎フロンターレに加入する松井蓮之は、チームの流麗なスタイルとはやや異なり、骨太なハンタータイプのMFだ。クラブはだからこそ、伸びしろを感じて獲得したというわけだ。最初は人違いではと疑ったオファーを喜んで受け止めて、新しい挑戦を始める。

上写真=松井蓮之は公式戦10試合出場を1年目の目標に掲げた(写真提供◎川崎フロンターレ)

「25に見合う選手になりたい」

 松井蓮之はすでに2021シーズンに特別指定選手として登録されていたMF。昨年の開幕前の沖縄キャンプにも帯同していた。ファーストインプレッションは、これだ。

「こんなに上手な人がいるんだと衝撃を受けて…本当に同じ人間なのかと」

 だから、オファーが来たときには「びっくりして、誰かと間違ってるんじゃないかと思いました」と笑う。もちろん、人違いなどではなかった。

 同じく大学サッカーを経由した1学年上の橘田健人、2学年上の旗手怜央からのアドバイスは、揃って「慣れだよ、慣れ」だったという。

「慣れだよと言われましたけど、どうやったら慣れるのか…。信じて慣れるように頑張りたいけれど、何年後に慣れることができるかわかりません」

 そんなふうに笑って、プロの第一歩を踏みしめた。

 特徴ははっきりしている。強調するのは「ボール奪取能力と持久力には自信がある」ことだ。だから「アンカーのポジションはやりやすい」とイメージする。背番号25が与えられたのも、中盤の中央のポジションで大きく育ってほしいというクラブの期待からだろう。ヨーロッパに飛び出して、日本代表でも欠かせない存在になった守田英正、田中碧が順に背負ってきた、いわゆる「出世番号」だ。

「守田選手や田中選手の番号を背負うので、先輩たちのように活躍したいと思います。自分自身の持っているものを出して川崎フロンターレの勝利に貢献したいし、25に見合った選手になりたいです」

 2021シーズンはジョアン・シミッチ、橘田が主にこのポジションでプレーし、谷口彰悟や山村和也、大島僚太、塚川孝輝も経験がある。壁が高いのは承知の上だ。「アンカーにいい選手がいる中で、突出しているものを練習からアピールしてポジション争いに勝って、スタメンで出られるようにしていきたい」が当面の目標になる。

 ルーキーイヤーに設定した数字は「最低でも公式戦10試合に出場したい」。そのためには、沖縄キャンプでの猛アピールが楽しみになってくる。

「去年は初めての参加で、緊張で自分のプレーを出せずに後悔しました。でももう、川崎フロンターレの一プレーヤーとして遠慮することはありません」

 自慢の骨太なボール奪取能力と同じ力強さで、ポジションを奪い取ってみせる。


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