12月19日、天皇杯JFA第101回全日本サッカー選手権大会決勝。大分トリニータは25回目の大会参加でクラブ史上初の進出を決めた。準決勝で川崎フロンターレを撃破する大金星を挙げたが、その立役者がGK高木駿。猛攻を止めに止めた集中守備の再現を、決勝でも果たすつもりだ。

上写真=大分の最後尾には高木駿がいる。準決勝で川崎Fを止め続けた守備力を決勝でも(写真◎小山真司)

「前日からワクワク」

 天皇杯決勝前日の練習を、会場である国立競技場で行った。大分トリニータの最後の砦、高木駿にとっては初めて立つピッチだ。「雰囲気が良くて芝生も良くて、テンションが上がりました」と話して、少年のような無邪気な笑顔を見せた。心身の充実ぶりが垣間見える。

 大分はJ2降格が決まっているが、それでも高木は契約を更新し、12月17日に早々に発表した。「一番手は町田也真人に越されて悔しいです」と笑わせたが、天皇杯決勝の2日前というタイミングにはもちろん意味がある。

「​​本当に大分トリニータのためにという気持ちで臨めますし、そういう姿を見せられると思います。いいタイミングで契約を更新できたと思っていますし、明日の試合にかける思いは強いものがあります」

 勝てばAFCチャンピオンズリーグの出場権を手にすることができるが、それがあってもなくても、大分のために戦うという意志をはっきりと示すことによって、チームをもり立てたい思いだ。

「在籍は5年になりますけど、チームにはやっぱり長く在籍して活躍する選手がいないといけないと思います。自分がそういう立場だと自覚しているので、長く在籍している自分が引っ張っていかなければいけないという思いがあります。なにより大分が好きで、このチームが好きですからね。残るという思いよりは、しっかり大分トリニータでやりたいという気持ちです」

 準決勝ではJ1連覇を成し遂げた川崎フロンターレと戦って、1-1からPK戦の末に突破を勝ち取った。120分間、途切れなく続く相手の猛攻を面白いように止めてみせて、PK戦でもストップしたこの守護神の活躍が、チームをファイナルへと導いた。

 さあ、大舞台へ。浦和レッズと戦うイメージはできている。

「あそこに立ったら誰もがテンションが上がって力を出せます。前日からピッチに立ってワクワクしていました」

 その高揚感がきっと、浦和の自慢の攻撃陣を食い止める力になるだろう。


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