12月19日にいよいよ浦和レッズ対大分トリニータの天皇杯決勝が行われる。自身初となる日本一への戦いに臨むにあたって、浦和のリカルド・ロドリゲス監督は「とても落ち着いている」と貫録たっぷりだ。優勝して、目標であるAFCチャンピオンズリーグの出場権を全力で取りに行く。

上写真=準決勝ではC大阪に快勝。リカルド・ロドリゲス監督は「決勝でも準決勝と同じ戦いを」と平常心で臨む(写真◎Getty Images)

敗戦が与えるポジティブな影響

 大一番を前にして、リカルド・ロドリゲス監督は泰然自若としている。12月19日に行われる天皇杯決勝へ向けて、「決勝なのでリスペクトも感じていますが、とても落ち着いています」と、はやる気持ちを手懐けるようにどっしりと構えている。

 相手は大分トリニータ。すでにJ2降格が決まっていて、片野坂知宏監督の退任も発表されている。浦和も阿部勇樹がこの試合を最後に引退し、宇賀神友弥、槙野智章と長くチームを支えてきた選手もチームを離れる。優勝カップがかかり、AFCチャンピオンズリーグ出場権も与えられる。さまざまな要素が絡み合う今季ラストゲーム。だからこそ、リカルド・ロドリゲス監督は「メンタル面がキーになる」と、視線はクリアだ。心の部分にいい影響を与えると感じているのは「黒星」だという。

 大分とは今季、ホームゲームでは3-2で勝利を収めたものの、アウェーでは0-1で敗れている。この負けが、ファイナルの場でポジティブな効果を発揮するというのだ。

「川崎が決勝に来ると思われていた中で、大分になったというところでは、自信を持ってたたかなければなりませんが、過信になってはいけません。リーグで彼らに負けたことで、そうはならないと思っています。敗戦がポジティブな影響を与えると思います」

 J2降格を余儀なくされたとはいえ、大分が力のあるチームであることがその黒星によって証明されている。あのときの苦々しさが、最後の大一番で集中力につながっていくということだ。

「大分も川崎に勝って高いモチベーションで挑んでくるでしょう。何もプレゼントしてはくれないと思います。もちろん私たちも、高いモチベーションを持って必要な集中力を保ち、自信を持っていいプレーをすれば勝つ可能性は高まります。自分たちのサッカーをしっかりプレーして戦うことによって、近づくと思っています」

 カップファイナルという特別な舞台でありながら、特別なことを求めない。だから重要なのが、平常心を維持できるメンタルだというわけだ。

「タイトルを取る自信は、あります」

 きっぱりと口にしたリカルド・ロドリゲス監督の表情は、澄んでいた。


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