11月6日の明治安田生命J1リーグ第35節では横浜F・マリノスがFC東京を迎えた。前節で敗れて優勝を逃した横浜FMだが、この試合に勝てば来年のAFCチャンピオンズリーグ出場権の獲得が決定するだけに、キックオフから集中。10分の先制点を手始めに前田大然がハットトリックするなど、8-0で圧勝した。

上写真=前田大然はセンターフォワードで起用され、10分の先制ゴールをはじめハットトリック達成(写真◎J.LEAGUE)

■2021年11月6日 明治安田生命J1リーグ第35節(@日産ス/観衆18,307人)
横浜FM 8-0 FC東京
得点者:(横)前田大然3、マルコス・ジュニオール、小池龍太2、オウンゴール、水沼宏太

画像: ■2021年11月6日 明治安田生命J1リーグ第35節(@日産ス/観衆18,307人) 横浜FM 8-0 FC東京 得点者:(横)前田大然3、マルコス・ジュニオール、小池龍太2、オウンゴール、水沼宏太

「これだけこてんぱんにやられたのは初めて」

 驚きの圧勝で、横浜F・マリノスが来年のACL出場権獲得を決めた。FC東京を迎えたJ1第35節で、終わってみれば8-0だ。

 前半だけで4-0だった。まずはたった10分で、日本代表に選ばれた前田大然があいさつ代わりの一発だ。カウンターが中盤で引っ掛けられたところをサポートして拾い、そのまま一気に右へ抜けていく。GK波多野豪に一度は触られるが、こぼれたボールが目の前へ。左足でそのまま豪快にたたき込んだ。

 このあと、仲川輝人が森重真人に倒されたシーンにVARチェックが入り、オンフィールドレビューを経てPKに。21分にマルコス・ジュニオールがきっちり決めて2-0とした。さらにたたみかけて、24分には左のショートコーナーから扇原貴宏がファーへ、GK波多野がこぼしたところにいた小池龍太が押し込んだ。

 FC東京は荒療治だ。28分に中村拓海に代えて渡邊凌磨、品田愛斗に代えて青木拓矢を投入して、反撃を狙う。だが、さらに状況は悪化する。横浜FMのCKで森重がチアゴ・マルチンスを引っ張って倒し、PKに。森重は2度目の警告を受けて退場処分となった。

 このPKを41分に前田が決めてこの日2点目。すると、後半開始早々48分にも左からのティーラトンのクロスを前田がGK波多野の前で跳んでヘッドで押し込み、ハットトリックを達成した。

 FC東京は後半開始からMF東慶悟をリベロにする3-4-2の並びに変えて、右の渡邊、左の長友佑都を高い位置に立たせた。トレーニングでも試したことのない布陣で、この後半開始早々の失点は、渡邊の裏にティーラトンに入り込まれて渡辺剛のスライドが間に合わずにクロスを送られたもの。なかなかかみ合わなかった。

 横浜FMはこのあとも、69分に小池が決めると、84分には水沼宏太のクロスがオウンゴールを誘い、86分にも水沼が強烈なミドルシュートを突き刺して、8-0までスコアを重ねた。

 ACL出場権がかかった一戦で圧勝して、ケヴィン・マスカット監督はもちろん笑顔だ。

「選手のボールの動かし方、人の動き、パスの速さ、テンポが良くチャンスをたくさん作って、表現したかったことができて結果もついてきました。選手は素晴らしいサッカーをしてくれました」と絶賛。前節でガンバ大阪に敗れて優勝を逃した直後の試合でも、しっかりと戦った選手を称えた。「見に来てくれたファン・サポーターのために素晴らしいエンターテインメントとしてワクワクするサッカーを見せることできました。それがうれしい」と、理想的な90分をかみ締めた。

 一方で、思わぬ大敗にも最後までタッチライン際に立ち続けて鼓舞したFC東京の長谷川健太監督は「監督をやっていて、これだけこてんぱんにやられたのは初めて」と第一声。「悔しさを通り越して情けない」と言いながらも、「選手は最後までやってくれました。サポーターも応援をやめずに最後まで続けてくれて感謝しています。自分の力のなさですので、悔しいです」と責任を一身に背負った。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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