名古屋グランパスは30日、ルヴァンカップ決勝でセレッソ大阪と対戦し、2-0で勝利。同大会を初めて制し、クラブとしては2010年以来のタイトル獲得を果たした。今季、C大阪から名古屋に加入した柿谷曜一朗は先制ゴールをアシスト。グランパスの一員として戴冠に貢献した。

上写真=カップを手にファミリーと喜びを分かち合う柿谷曜一朗(写真◎小山真司)

最高の思い出になる試合

「決勝の相手がセレッソに決まってから、頭のどこかに意識しながら生活してた部分もありました。とりあえず終わってホッとした。どちらが勝ってもおかしくないゲームだったと思いますし、僕が認めているというか、すごい選手たちといい試合ができたので、すごく思い出に残る試合になりました」

 今季、C大阪から名古屋に加入した柿谷は、その巡り合わせに当初はやりづらさを感じていたという。

「移籍したときからタイトルは取りたいと思っていました。まさか1年目から決勝のチャンスがくるとは思っていなかったし、しかもその相手がセレッソ大阪で。複雑な思いと、ぶっちゃけ決勝はセレッソはやめてほしかったです。けれど、実際にやってみるとすごい楽しかったし、試合が終わったあとに、セレッソの選手たちみたい『おめでとう』と僕が言えるかなと。その温かさを感じられて、あらためて素晴らしい選手とサッカーをやってこれたと感じました。移籍してきてタイトルを取れたのは素晴らしいことだけど、今までやってきた仲間たちの素晴らしいところも見られて幸せだった」

 古巣との対戦は、柿谷にとって素晴らしい再会になった。自身は序盤から難しいプレーを強いられた。オーバーヘッドでゴールを狙うなど、得点への意欲を示したが、ボールの持ち出しの部分で何度も封じられて、自身も「前への推進力という部分では自分のミスが多かった。まだまだ体力のところで90分通していいパフォーマンスが出せないなと思った」と振り返る。だが、CKから生まれた前田直輝の先制ゴールではニアにタイミングよく入り込んでバックヘッド。アシストを記録した。

「いくつも準備しているボールの中で、蹴る選手によって違いますし、ただ相馬(勇紀)選手もマテウス選手も鋭いボールを蹴ります。逆に鋭すぎて手前に引っかかるというのはなくしたかった。走り込んで、うまくすらせて良かった」

 しっかり結果につなげ、タイトル獲得に貢献した。「試合が終わって、いろんな選手と話す中で『名古屋の強いときはこういうサッカーだよね』と言っていましたし、あらためて自分たちがチームとして戦う姿勢を、ファミリーのみなさんもそうですけど、チーム一丸となってやれたんじゃないかなと思います」。名古屋らしさを発揮した上での戴冠。その中で柿谷はしっかりチームの一員としてプレーしてみせた。今回の勝利は柿谷にとって、移籍という選択と今季の歩みの正しさを噛みしめる機会になった。


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