2021年10月24日、明治安田生命J1リーグ第33節が開催された。等々力陸上競技場では川崎フロンターレ対清水エスパルスが行なわれた。前半、清水の守備を崩し切れなかった川崎Fは後半、レアンドロ・ダミアンの3試合連続ゴールで先制。そのまま押し切って1-0の勝利を飾り、優勝に向けて前進した。

上写真=先制ゴールを挙げたL・ダミアンをチームメイトが祝福!(写真◎J.LEAGUE)

■2021年10月24日 明治安田生命J1リーグ第33節(@等々力/観衆11,576人)
川崎F 1-0 清水
得点:(川)レアンドロ・ダミアン

・川崎Fメンバー:GKチョン・ソンリョン、DF山根視来、ジェジエウ、谷口彰悟、登里享平(84分:車屋紳太郎)、MF脇坂泰斗(89分:山村和也)、橘田健人、旗手怜央(71分:大島僚太)、FW家長昭博、レアンドロ・ダミアン(71分:小林悠)、マルシーニョ(84分:宮城天)

・清水メンバー:GK権田修一、DF原輝綺、ヴァウド、井林章、片山瑛一(88分:ディサロ燦シルヴァーノ)、MFベンジャミン・コロリ、松岡大起、ホナウド、カルリーニョス・ジュニオ、FW藤本憲明(67分:西澤健太)、チアゴ・サンタナ

優勝をぼかさず、全員で優勝に向かって

 川崎Fにボールを握られるのは想定済み。アウェーの清水はそんな姿勢でゲームに入った。コンパクトな守備ブロックを組み上げて、集中した守りを実践。2トップの一角を担った藤本はアンカーの橘田を見張り、川崎Fのビルドアップを阻害することに心を砕く。ただ、チームとしてボールを奪ったあとの選択肢が少なく、ノッキングしてはたちまち回収されてしまう。時間の経過とともに川崎Fが、重層的な攻撃を展開するようになっていった。

 幅を取り、ワンタッチパスを織り交ぜながらボールを走らせて、清水の守備網を攻略する。37分には旗手が、40分には脇坂がシュートを放ち、惜しい場面を生み出した。前半はそれでもネットを揺らせず、仕切り直して臨んだ後半早々だった。川崎Fは、ついにゴールをこじ開けた。

 ピッチのやや右で家長の縦パスを受けた脇坂のクロスはL・ダミアンに合わなかったものの、ボックス左でこぼれ球を拾ったマルシーニョがダイレクトで折り返すと、川崎Fが誇るエースストライカーが左足バックヒールで流し込み、先制ゴールを記録した。

 清水守備陣も中央を固めていたが、左右に振られる形となり、対応が遅れた。ブロック内のスペースを見つけた脇坂。その動きを見逃さなかった家長。クロスのこぼれ球に誰より早く反応したマルシーニョ。そして相手DFに前を塞がる中でバックヒールでボールをゴールへ流したL・ダミアン。王者の王者たるゆえんが表れた先制点だった。

 2点目を狙う川崎Fはその後もボールを握ってゲームをコントロール。71分には旗手に代わって、ケガで7月17日の清水戦以来3カ月ぶりに大島が復帰を果たし、勝利を目指しつつ『試運転』もきっちり行なった。

 試合は結局、そのまま1-0で終了。常に目標としている複数得点とはならなかったものの、L・ダミアンが挙げたゴールを終始一貫、攻めの姿勢を見せながら守り切り、勝利をつかんだ。

「(3週間ぶりの試合で)よくはなかったと思います。チャンスの数は少ないですし、もっともっとアラートさを出さなければいけなかった。ただ、そういう中でもしっかりゼロで抑えたり、最後のところで体を張る、ボールに触ることはできていたので、この1勝を大事にしながら次につなげなければいけない。リーグもそうですし、中2日で鹿島戦(天皇杯準々決勝)があるので、そこにしっかりコンディション、気持ちを合わせてなくてはいけない。勝ち続けなければいけない。こういう内容でもしっかり勝つ、そこを求めてやっていきたい」(鬼木達監督)

 この試合の終了直後にキックオフされた2位横浜F・マリノス対セレッソ大阪の結果次第では、次節にも優勝の可能性が出る状況だが、「とにかく気持ちを持ち続けること。優勝をぼかして考えるのではなく、全員で優勝に向かって戦っていく。それが成長につながる」と、指揮官は変わらぬ姿勢を強調した。

 残り5試合。チームは優勝をはっきりと意識してカウントダウンを進めていく。

取材◎佐藤 景


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