川崎フロンターレが昨季に引き続き頂に立つ日が近づいてきた。2位の横浜F・マリノスの結果次第だが、最短では11月3日にも凱歌をあげることができる。それでも鬼木達監督は変わらず、一戦必勝の姿勢を崩さない。さあ、J1クライマックス!

上写真=連覇を前にしても鬼木達監督の思いは変わらず。一戦必勝の姿勢で挑む(写真◎J.LEAGUE)

「相手のことは気にせず自分たちに集中すること」

 最短で11月3日に川崎フロンターレのJ1連覇が決まる。

 序盤から快調に勝ち点を伸ばしてきたから、早くもクライマックスを迎えるのもうなずけるが、実際に戦う鬼木達監督が、そのことに余計な意識を持たないと話すのはこれまで通り。

「相手あってのことなので、特にそういうものは意識してはいけないところです。自分たちが一つひとつ積み上げることが、(優勝に)確実に近づくことということです。相手のことは気にせず自分たちに集中すること、それが一番大事ですね」

 2試合先に優勝が見える高揚感よりも、目の前の試合に納得のいく形で勝つことの難しさを選んでいるとも言える。向上のためにはそれが正しい方法だからだ。

 ルヴァンカップ準々決勝とAFCチャンピオンズリーグのラウンド16で立て続けに敗退を余儀なくされたとき、鬼木監督が選手に強く訴えかけたのが、J1で優勝するためにはそこからの5連戦で5連勝することだった。そして、徳島ヴォルティス、鹿島アントラーズ、湘南ベルマーレ、ヴィッセル神戸、FC東京をすべてやっつけて、本当に実現させた。8月の北海道コンサドーレ札幌戦も合わせてこれで6連勝として、今季最長の連勝となった。

「その意味では、少し早く気持ちを持っていったので、(5連勝を)生かすも殺すもここからが本番です」

 考え方によっては、川崎Fにとっての本当のクライマックスは、鬼木監督の言う「勝負の5連戦」をすべて勝利で乗り切ったことで、すでに終わっているということなのかもしれない。ただ、本当に優勝しなければそう表現することはできない。

「一戦必勝という姿勢は変わらないですし、選手に改めて強調したいところでもあります」

 リーグ戦は残り6試合で天皇杯でも勝ち残っている。最後にテープを切るまでに、今度はどんなマネジメントで臨むのか。10月24日のJ1第33節清水エスパルス戦と中2日の天皇杯準々決勝鹿島アントラーズ戦、11月3日のJ1第34節浦和レッズ戦と7日の第35節サガン鳥栖戦と、ここからの4試合を2連戦2セットととらえていて、その後は代表ウィークを挟んで週に1試合のペースで3試合、というスケジュール感で見ているという。

 そのラストスパートに向けては、およそ3週間の時間があった。

「休息と確認作業に使いました。できていることをもう一段上げること、ここまでの5連戦で修正しなければいけないところあって、その修正に充てることができたので、いい時間を過ごすことができました」

「時間」を味方につけて、強い川崎Fがさらに強くなったというわけだ。

 11月3日にJ1連覇を決めるには、2つの条件のいずれかを満たした場合に成立する。川崎Fが清水と浦和に勝ち、2位の横浜F・マリノスがセレッソ大阪、ガンバ大阪との試合で勝ち点2以下の場合。あるいは、川崎Fがその2試合で1勝1分け、横浜FMが連敗の場合。

 そのためにもまず、清水を倒すことに全力を注ぐ。


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