名古屋グランパスのマッシモ・フィッカデンティ監督が、9月26日の明治安田生命J1リーグ第30節大分トリニータ戦に1-0で勝利、Jリーグ通算100勝を達成した。節目の勝利に際して改めて伝えたのが、自身の監督論。堅固に、しかし柔軟に行うチームづくりの一端に触れた。

上写真=フィッカデンティ監督は2014年から日本で指揮を執り、ついに100勝に到達(写真◎J.LEAGUE)

FC東京で31勝、鳥栖で32勝、名古屋で37勝

 マッシモ・フィッカデンティ監督が9月26日のJ1第30節で大分トリニータに勝って、Jリーグ100勝を達成した。1-0という名古屋らしい堅固な勝利は、今季19度目のクリーンシートとなって記録更新も果たした。

 節目の勝利を手にして、フィッカデンティ監督が改めて強調したのが、自身の監督論。

「勝つために何をするか、ということです。勝てばなんでもいい、と言われがちですが、そうではなくて、どんなことに対してもケアしなければ勝てない、という意味です。勝利の裏には、相手の優れた部分を抑えて、さらに上回って、自分たちの優れた部分を出さないといけない、ということがあります。それだけサッカーは大変なものです」

 その繰り返しによって、「100」を積み上げた。2014年と15年にFC東京で31勝、16年から18年までサガン鳥栖で32勝、そして19年から現在まで名古屋で37勝。その秘訣を問われて示したのは、練習の質、そして柔軟性だった。

「100勝する中で、積んできた経験をどうやって選手に落とし込むのか、その練習の質にこだわってきました。監督、スタッフ、選手だけではなく、クラブが監督である私のメソッドに共感して、みんなで進んでいこうという雰囲気を作ってくれることも大きいです」

 日々のトレーニングからしか強いチームは作れない。その土台にある「信頼」についてもそう言及した。

 もちろん、サッカーそのものが進化するように、フィッカデンティ監督自身も常に変化への対応を意識しているという。

「監督をやる上で、同じサッカーを毎日イメージして練習していても、1人メンバーが代わるだけで大きく変わるものです。どういう特徴が加わったかということを理解して最大限に生かさなければいけません。その選手に求めるべきではないものもあるかもしれないし、あるいは、11人全員が代わったとしてもチームとして変えてはいけないことも落とし込まなければいけません。その意味では、柔軟性によって監督の力量は試されると思います」

 堅固に、でも柔軟に。その両面性がマッシモ・フィッカデンティという監督の求めるところでもある。それはロングスパンであっても短期の準備であっても変わりはなく、次のサンフレッチェ広島戦に向けても同様だ。

「広島は3-4-2-1の配置でやってくると思いますが、最初にどの11人で臨んでくるか。チームとしても個人としてもそれぞれのポジションの役割をどう理解してくるのか、つまり守りを重視するのか攻撃に重きを置くのか、それを見ながらやらなければなりません。経験は広島のほうが上回っている部分もあります。警戒心を持って準備したい」

 101勝目は、広島で。


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