2021年9月25日、明治安田生命J1リーグ第30節が開催された。ニッパツ三ツ沢球技場では横浜FC対横浜F・マリノスが行なわれ、ホームの横浜FCがサウロ・ミネイロのゴールで先制。アグレッシブなプレーで先手を取ったが、横浜FMもマルコス・ジュニオールのPKで追いつき、前田大然の得点で逆転。だが、試合はそのまま決着せず、試合終了間際にサウロ・ミネイロが2点目を決めてドローに終わった。

上写真=横浜FCの攻撃をけん引したサウロ・ミネイロ(写真左/J.LEAGUE)

■2021年9月25日 明治安田生命J1リーグ第30節(@ニッパツ/観衆4,957人)
横浜FC 2-2 横浜FM
得点:(FC)サウロ・ミネイロ2
   (FM)マルコス・ジュニオール、前田大然

・横浜FCメンバー:GKスベンド・ブローダーセン、DF岩武克弥、高橋秀人、袴田裕太郎、MFマギーニョ、安永玲央、アルトゥール・シルバ(36分:ジャーメイン良)、武田英二郎(68分:高木友也)、瀬古樹、松尾佑介(68分:フィリペ・ヴィゼウ)、FWサウロ・ミネイロ

・横浜FMメンバー:GK高丘陽平、DF小池龍太、チアゴ・マルチンス、岩田智輝、ティーラトン(63分:松原健)、MF渡辺皓太、扇原貴宏(87分:水沼宏太)、マルコス・ジュニオール(87分:天野純)、FWエウベル(80分:喜田拓也)、レオ・セアラ(63分:杉本健勇)、前田大然

目標達成には『痛いマイナス2ポイント』

 残留に向けて是が非でも勝ち点3が欲しいホームの横浜FCは試合開始からアグレッシブな姿勢を示した。高い位置からボールを奪いに行くと、横浜FMのビルドアップを阻止。そしてボールを奪えばサウロ・ミネイロを中心に攻撃を仕掛けていった。先制したのも、その横浜FCだ。

 38分、瀬古が最終ラインの裏へ浮き球を送り、ボックス内で受けたジャーメインが折り返すと、タイミングよくゴール前に走り込んだサウロ・ミネイロが右足を一閃。見事にゴールネットを揺らした。前半を1-0で折り返し、後半も勢いを継続したかった横浜FCだが、首位追走に勝利がほしい横浜FMも黙ってはいなかった。攻撃的な姿勢を打ち出し、反撃に出る。

 同点ゴールは、横浜FMらしい流れるような連係がきっかけになった。マルコス・ジュニオールが縦パスを入れ、前田がそれを浮き球に変換。反応したレオセアラがシュートを狙ったが、相手GKに接触。PKを獲得した。これをM・ジュニオールが冷静に沈めて試合を振り出しに戻す(62分)。

 同点とした横浜FMは、73分にサウロ・ミネイロの突破を止めるべく体をぶつけた渡辺が2枚目のイエローカードで退場となったものの、相手の一瞬のスキを見事について勝ち越しに成功する。扇原のスルーパスに走り込んだ前田が勝ち越しゴールをスコア。前半からテンポが上がらず、横浜FCの勢いに押される中でも、しっかり点を重ねて逆転し、2位につけるチームの地力を示してみせた。

 ところが、である。勝負はここで決まらなかった。ダービーマッチはさらに熱さを増していく。「絶対に負けられない」とこの一戦に臨んでいた横浜FCが、89分にスローインの流れからゴールをもぎ取った。岩武がボックス右へと進入して中央へ折り返すと、一度はGKに触れるが、こぼれ球にジャーメインが反応。頭でつながれたボールをサウロ・ミネイロがプッシュし、土壇場で同点に追いついたのだ。

 このブラジル人FWはアディショナルタイムにも高木の左からのクロスにヘッドを合わせ、あわやの場面を生み出した。相手GKの好守に遭ってゴールはならなかったが、徹頭徹尾、横浜FCの攻撃をけん引する存在であり続けた。

 試合はそのまま2-2のドローで決着することとなったが、最後まで緊迫した、実にダービーらしいゲームになった。とはいえ、横浜FCは残留のために、横浜FMは優勝のために勝ち点3がほしい試合だった。試合後には、横浜FCの早川監督も横浜FMもマスカット監督も当然ながらドローという結果に悔しさをにじませた。

 横浜FCは残留圏の16位湘南とは勝ち点8差(消化試合数は湘南が1試合少ない)。横浜FMも首位川崎Fに6ポイント差をつけられている(消化試合数は川崎Fが1試合少ない)。シーズンは残り8試合。この日のダービーは内容に見るべきところは多かったものの、両チームにとっては2ポイントを失ったことが何とも痛かった。


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