秋を迎え、J1リーグもいよいよ残り10試合のところに差し掛かってきた。横浜F・マリノスはいまだ3敗のみと好調を維持し続けて、首位の川崎フロンターレをぴたりと追走している。ケヴィン・マスカット監督は8月の月間最優秀監督賞を受賞したが、「ラスト10」へいつもどおりの姿勢を強調した。

上写真=笑顔が魅力的なマスカット監督は、熱い心でも選手を引きつける(写真◎J.LEAGUE)

逆転Vへ「気持ちの部分が大きい」

 7試合で5勝1分1敗。得点が実に24で、失点は8。8月6日のガンバ大阪戦から指揮を執り、いきなりの超過密日程の中でこの好成績だ。横浜F・マリノスの新しいボス、ケヴィン・マスカット監督が8月のJ1月間最優秀監督賞を受賞した。

 高温多湿の日本の夏で、ほとんど中2日、中3日で7試合を消化すること自体、至難のわざ。それを高勝率で乗り越えた。驚きの快進撃による受賞は、マスカット監督に言わせれば「全員で取ったもの」だ。

「チーム全体で、つまりスタッフも選手も全員で一つひとつ積み上げて結果を出し続けてきました。それが自分にはとてもうれしいことですし、みんながあれだけの大変なスケジュールでよくやってくれて助けられました。賞をいただいたのは自分がどうこうではなく、チーム全体で取ったものだと思っています」

 目の前の1試合を、全力で、チーム全員で、勝利のために戦う。その好循環。賞を取る取らないに関わらず、この毅然とした姿勢は一貫して崩さない。

 9月に入って一転、週に1試合で3試合のみと余裕ができる。その最初の試合は9月11日のサンフレッチェ広島とのアウェーゲームだった、先制されながらも終わってみれば3-1の逆転勝利。首位の川崎フロンターレより消化試合数は1試合多いものの、勝ち点差1に再び肉薄した。

 いよいよ残りは10試合だ。逆転Vへのカウントダウン。マスカット監督がそこで求めるのは、「信じる気持ち」だ。

「特別な瞬間を求めるには、生ぬるい気持ちでやれば止まってしまうので、そんな気持ちは取り除くことを意識しなければなりません。意識して、チーム全体が上を目指していくことが大事です。ですから、気持ち、メンタルの部分が大きいと思います」

 最終節には日産スタジアムで川崎フロンターレとの対戦が待っている。前任のアンジェ・ポステコグルー監督の財産を引き継ぐ戦略家であり、選手の心に寄り添うモチベーター。そんなマスカット監督と横浜FMが、J1リーグをますます面白くする。


This article is a sponsored article by
''.