9月1日と5日は、JリーグYBCルヴァンカップ準々決勝が行われる日。全タイトル制覇を狙う川崎フロンターレには、浦和レッズとの難しい180分が待っている。今季、リーグ戦で一度対戦したときにレアンドロ・ダミアンが決めた美しいゴールは記憶に新しい。若手の成長を促す実力者としてのプレーを見せて、勝ち抜いてみせる。

上写真=レアンドロ・ダミアンは3月の浦和戦で美しいゴールを決めた。その再現はなるか(写真◎J.LEAGUE)

「若い選手が精一杯やってくれることを望んでいます」

 レアンドロ・ダミアンと浦和レッズ、といえば、あの「ビシクレータ」だ。ポルトガル語で「自転車」の意味、つまりバイシクルシュートである。

 3月21日のJ1第6節、右の小林悠からの柔らかいセンタリングをゴールを背にしたまま胸でトラップ、そのまま後ろに体を倒すようにして高く上げた右足でボールを蹴り込み、ゴール左へと決めてみせた。

「まずは勇気と自信だと思います。小さい頃からやり慣れているので、自分にとってはやりやすいんです。いつもやるかと言えば違うけれど、タイミング次第でできるときがあればやりたいと思います」

 この試合は結局、5-0で圧勝したのだが、その後の5カ月で事情は大きく変わった。ルヴァンカップ準々決勝で激突する浦和は大型補強でパワーアップ、川崎フロンターレは連続ドローから初黒星を喫し、次の北海道コンサドーレ札幌には勝ったものの、上がり続けてきた階段の「踊り場」にいるイメージだろうか。

「でも、内容が悪いわけではありませんでした」とレアンドロ・ダミアンは平然。

「外部からは、フロンターレの独走とかマリノスとのV争いと言われてきましたが、私たちにはそういう考えはありません。どこが勝ち上がってきてもおかしくないリーグだし、浦和さんはこの夏に名前のある能力の高い素晴らしい選手が加入してパワーアップしています。前回のリーグでの対戦は参考にはなりません。自分たちで集中力を高めて挑んでいくだけです」

 田中碧と三笘薫がヨーロッパに旅立ち、鬼木達監督も話すようにいまは次への進化に必要な我慢のとき。ポジションを奪おうとする若手たちに、レアンドロ・ダミアンのような実力者が手を差し伸べる。

「試合に出場し始めた若い選手が精一杯やってくれることを望んでいますし、彼らが落ち着いてプレーできる状況を作り出したいと思います。いまは経験のない選手ですが、これから力をつけてそれがチームの力になると思っています」

 そのジャンピングボードに、ルヴァンカップの浦和戦がなればいい。9月1日にまずアウェーで、そして5日にホームでと連続で戦う180分。ここで若手のきらめきが見られれば、川崎Fの次の未来が開ける。

 そして再び、背番号9が美しいビシクレータを決めたとしたら、彼らへの華やかな祝砲になるだろう。


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