8月29日に行われた明治安田生命J1リーグ第27節で、14位の柏レイソルが19位の横浜FCを迎えた一戦。柏が29分に先制し、横浜FCが4分後に追いつく一進一退の攻防が続いた。勝負を決めたのはクリスティアーノ。71分に、前半のPK失敗の悔しさをぶつけるように豪快なミドルシュートを突き刺して2-1で勝利を手にした。

上写真=クリスティアーノの衝撃! 71分に度肝を抜く豪快なミドルシュートを突き刺して勝利をもぎ取った(写真◎J.LEAGUE)

■2021年8月29日 明治安田生命J1リーグ第27節(@三協F柏/観衆4,344人)
柏 2-1 横浜FC
得点者:(柏)瀬川祐輔、クリスティアーノ
    (横)渡邉千真

画像: ■2021年8月29日 明治安田生命J1リーグ第27節(@三協F柏/観衆4,344人) 柏 2-1 横浜FC 得点者:(柏)瀬川祐輔、クリスティアーノ (横)渡邉千真

「ピッチの中でもベンチでも冷静さを欠いた」と悔やむ早川監督

 14位の柏レイソル、19位の横浜FCともに、下位からの脱出を図る日々だが、面白いのは中断明けからどちらも2勝1分け1敗という戦績を残していること。ともに調子は悪くはない。

 序盤は柏レイソルがクリスティアーノの推進力を生かして右サイドを中心に攻め入った。29分にはゴール近くで相手のパスミスを受けた戸嶋祥郎が右へラストパス、クリスティアーノが追いついて折り返し、相手のクリアを戸嶋がそのまま右足ボレーで強烈に打った。これがゴール前にいた瀬川祐輔に当たってコースが変わり、柏が先制した。

 横浜FCにとって大きかったのは、わずか4分後に同点に追いついたことだ。33分、右寄りからのFKを瀬古樹が滞空時間の長いキックでゴール前へ、これを渡邉千真がヘッドでゴール右に送り届けて1-1とした。こちらは1トップの渡邉を軸に、左アウトサイドの高木友也と左シャドーの松尾佑介が裏に抜け出す攻撃を仕掛けて、対抗していった。

 後半は横浜FCが瀬古樹のポジションをシャドーから本来のボランチに戻したことで、全体にエネルギーが宿った。これでボランチのパートナーの安永玲央が生き生きとし始めて、右サイドのマギーニョを奥深くまで送り込むシーンも増えて、柏を押し込んでいく。

 ただ、奪ったあとの次のパスを相手に渡すシーンが多くなって、徐々にリズムが狂い始めていく。これは柏にとっても同じことで、お互いに狙ったところにボールを運べずに落ち着かない展開が続いていった。

 そんな嫌なムードを一撃で変えてしまったのが、クリスティアーノだ。セカンドボールを拾ってハーフウェーライン付近から前線の瀬川へ、そのまま一気にゴールへと走ってリターンパスをもらうと、ペナルティーエリアの外から右足を思い切りよく振ってボールをとらえ、豪快なミドルシュートをゴール右に突き刺してみせた。42分にPKを左に外してしまった失敗を吹き飛ばす、71分の決勝ゴールだ。

 横浜FCは1点を追いつくべく、ゴールに向かってパワーを集中するが、柏の懸命の守備に阻まれ続けた。終了間際には瀬古樹が一発退場するなど後味の悪さも残すことに。早川知伸監督は「我慢しなければいけない時間で、ピッチの中でもベンチでも冷静さを欠いた」と悔やむ。「レイソルさんの球際の部分や、批判するつもりはないがジャッジの部分で不利になったことが現実的にあった」と指摘し、「冷静になるように私がコントロールしなければならなかった」と自戒を込めた。

 柏のネルシーニョ監督は確かな勝利に落ち着いた表情。「選手の献身的な戦いぶりと仲間意識が今日の結果をもたらしました。勝ち点3にふさわしかったと思います」と振り返る。確かに横浜FCの攻撃をグループで助け合いながら絡め取り、GKキム・スンギュのスーパーセーブも飛び出して、後半は無失点で乗り切った。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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