明治安田生命J1リーグの優勝争いが、にわかに沸き立ってきた。第24節で首位の川崎フロンターレが柏レイソルに今季初の無得点で引き分けると、2位の横浜F・マリノスは引き分けを挟んで9連勝、勝ち点6差に急接近だ。この夏から指揮を執るケヴィン・マスカット監督が連戦で大切にするのは「フレッシュ」だ。

上写真=ケヴィン・マスカット監督は指揮を執ってここまで4試合負けなしだ(写真◎J.LEAGUE)

「チームにとって何がベストなのか」

 8月の「4+3」連戦の合間、ケヴィン・マスカット監督が強調したのは「リカバー」である。中2日で続いた4試合は3勝1分け。清水エスパルス戦で2-2の引き分けに終わったのは残念だったが、ベンチ入りした選手を含めて21人で4試合を戦い抜いた。

「自分たちがやらなければいけないのはリカバリーです。10日で4試合をこなして、まずはリカバーしてからいい準備をしていくことが大事になってきます」

 選手の入れ替えもあり、監督自身も指揮を執り始めたばかりと変動の多かったこの夏だが、マスカット監督の最初の4試合では「技術の高い選手が多い」がJリーグの印象だという。

「これまでにJリーグのチームと対戦したことはありますが、実際に日本で指揮を執ることになったいまも、以前と同じように、技術に優れた選手が多いという印象を受けています。さらに、相手がいろいろなシステムや戦術で戦ってくるので、1試合1試合が簡単なものではないとわかります。このリーグのレベルの高さを感じていますし、非常に強度と質の高いサッカーを見ることができています」

 技術や強度、プレーの質という意味では、他のクラブよりも横浜F・マリノスは優れていると言っていいだろう。だからこそ、勝ち点6差で2位につけ、川崎フロンターレの尻尾を捕まえることができているのだ。

「各ポジションで非常に層が厚く、誰が出てもいい状態にしていくことを意識しています。フィジカル的にもそうですし、相手によってもメンバーは変わってきます。コンディションも考慮しながらの起用になりますが、大事にしているのはチームにとって何がベストなのか。それを見て判断していきたいですし、起用については答えは一つではないと思います」

 選手をローテーションさせながら勝利を手繰り寄せる。直近の第24節大分トリニータ戦は5-1で大勝し、前田大然のハットトリックとレオ・セアラの2ゴールが目を引いたが、例えば、試合の流れをコントロールしながら攻守に深く関与していく扇原貴宏のプレーも際立った。

「素晴らしい選手が多い中で、彼は彼の特徴をしっかりこの前の試合で出していました。動き方、前を向いてプレーする部分もそうですし、パスの種類も豊富な選手です。それがしっかり試合に出たと思いますし、ほかにも中盤の選手がたくさんいる中で、独特の感覚を持ついい選手の一人です」

 さらに、素晴らしいプレーをするのが一部の選手だけではないことが、マスカット監督にとっては心強いのだという。

「そして、彼に限らず、大分戦の前の試合ではほとんど出ていなかった選手、和田(拓也)レオも(小池)龍太もとてもフレッシュな状態で、いつ出てもいい状態を保っていることもいい結果につながったと思います」

 キーワードはフレッシュ。多くの質の高い選手を揃え、準備を整えて、川崎フロンターレをどこまでも追いかけていく。


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