5月26日、明治安田生命J1リーグは第16節が開催され、鹿島アントラーズはセレッソ大阪とカシマスタジアムで対戦。後半に土居聖真のパスを受けた荒木遼太郎が決勝点を挙げ、2試合ぶりに勝ち点3を獲得。小泉慶は攻撃的なポジションで持ち前の走力を生かした。

上写真=今節C大阪戦でも走力に関する驚異的なデータを残した小泉慶(写真◎J.LEAGUE)

■2021年5月26日 J1リーグ第16節(@カシマ/観衆5,977人)
鹿島 1-0 C大阪
得点:(鹿)荒木遼太郎

総走行距離12.769キロ、スプリント数46回

 試合終盤の89分、鹿島の背番号37にビッグチャンスが訪れる。左サイドの永戸勝也から、ペナルティーエリアに入った辺りで鋭いパスを受けると、華麗にターンして相手のマークを外した。それから得意な右足を振り抜いたが、ボールは枠の上へと飛んでいった。「あれは決めないとダメですね。トラップまではよかったんですけれど…、トラップでちょっと気持ちよくなっちゃいました」と小泉慶は苦笑い。

 それでも、チームは荒木遼太郎が挙げた1点を守り切り、C大阪に完封勝利。2週間前の第21節名古屋戦と同様に堅守を見せた。そのときは相手のシュート本数を「0」に抑えたのに対し、今節では10本ものシュートを打たれたが、どれも遠めからのものばかり。実際にはC大阪に決定的なチャンスをつくらせなかった。

 この2試合では、いずれも小泉の献身性がデータに表れている。Jリーグ公式サイトによる総走行距離とスプリント回数は出場選手の中でナンバーワン。90分間で12.769キロを走り、そのうち46回のスプリントを記録している。2位の常本佳吾ですら28回なのだから、その数字が突出したものであることは言うまでもない。

 実際に試合中では、素早いプレスやプレスバックで相手からボールを奪うシーンも目立った。「前が(プレスに)行くぶん、後ろもついてきてくれている。相手も嫌がっている感じはあったし、(プレスが)はまっている感じもありました」と小泉も手応えを口にする。そして、「みんなが球際だったり、強度が高くプレーできているので、そういうところで上回れたことで勝てたのかなと思います」と勝因について言及した。

 小泉自身、「トップ下」や「1.5列目」とも呼ばれる前線のポジションを務め、チャンスをモノにできなかったことは課題として残るだろう。ただし、その場所で披露した走力がチームに勝利をもたらしたことは、データ上でも明らかだ。

「ここからが、また連勝街道に乗って上位にいくための大事な試合になっていくと思うので、この1勝で満足せず、まずは次の川崎戦に向けて、全員でいい準備をしていけたらいいなと思います」

 相馬直樹監督の下でベールを脱いだ新たな小泉慶の姿が、深紅のチームをさらに進化させていく。

取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE


This article is a sponsored article by
''.