2021年5月22日、明治安田生命J1リーグ第15節が開催された。埼玉スタジアムでは浦和レッズが後半に2点を挙げて、ヴィッセル神戸に快勝。浦和はこれでリーグ戦3連勝。順位も6位に浮上した。敗れた神戸は3戦勝ちなしとなった。

上写真=田中達也のゴールで先制した浦和がユンカーが追加点を挙げ、2-0で神戸を下した(写真◎J.LEAGUE)

■2021年5月22日 明治安田生命J1リーグ第15節(@埼スタ/観衆4,917人)
浦和 2-0 神戸
得点:(浦)田中達也、キャスパー・ユンカー

・浦和メンバー:GK鈴木彩艶、DF西大伍、岩波拓也、槙野智章、明本考浩、MF田中達也(66分:関根貴大)、伊藤敦樹、阿部勇樹(46分:柴戸海)、汰木康也(66分:山中亮輔)、FW 武藤雄樹(46分:小泉佳穂)、キャスパー・ユンカー(90分:興梠慎三)

・神戸メンバー:GK飯倉大樹、DF山川哲史(56分:初瀬亮)、菊池流帆、トーマス・フェルマーレン、酒井高徳、MF山口蛍、アンドレス・イニエスタ、郷家友太(83分:増山朝陽)、FW佐々木大樹(56分:アユブ・マシカ)、リンコン(56分:ドウグラス)、古橋亨梧

ユンカーがリーグ戦、3戦連発!

 両軍ともに自陣から丁寧にパスをつなぎ、敵陣にボールを運んでいく。似たスタイルで攻め合ったが、前半から数多くチャンスをつくったのは、アウェーの神戸だった。相手のプレスをうまく外し、中盤の底に入る山口、郷家から右に左に展開。そして、トップ下のイニエスタにボールがタイミング良く入ると、必ずと言っていいほどビッグチャンスが生まれた。

 ただし、FW陣が決定機を1本も生かせなかったのは痛恨。ペナルティーエリア内でパスを受けたリンコン、佐々木大樹らが相手のしぶといシュートブロックに手を焼き、前半はノーゴールのまま終了してしまう。

 すると、ゲームの流れは、ハーフタイムをはさんで一変する。いまひとつ歯車が噛み合わなかった浦和が反撃に出た。後半から小泉佳穂と柴戸海を投入し、フォーメーションも4-4-2から4-1-4-1へ。後半開始から2分後のこと。明本のパスを受けた汰木が左サイドを深くえぐり、絶妙なセンタリングを上げる。中央で待っていたのは186センチのキャスパー・ユンカーの影に隠れていた小柄な田中だ。

 ジャンプ一番、高い打点からヘディングでゴールへ流し込み、貴重な先制点をマークする。先手を奪えば、がぜん勢いが増すのはいまの浦和。埼玉スタジアムには大きな手拍子と鳴り物の音がより一層響きわたり、プレスに行く足も鋭くなる。前半とはまるで違っていた。攻守両面でアグレッシブに相手に襲いかかり、流れを一気に引き寄せた。

 1点リードで迎えた85分にはペナルティーエリア内でこぼれ球を拾ったユンカーが得意の左足で叩き込み、リーグ戦3試合連続ゴール。終盤に追加点まで奪う理想的な展開でホーム5連勝を飾り、6位まで浮上した。試合後、浦和のリカルド・ロドリゲス監督は満足そうな表情を浮かべていた。

「前半は相手に支配される時間があり、危険な場面をつくられましたが、後半は改善することができました。ボールを握ることができ、高い位置でボールも奪えました。無失点で勝てたこともよかったです」

 そして、口元を少し緩めて、うれしい悩みも告白した。

「毎試合ごとに選手選考が難しくなっています。みんないいパフォーマンスを発揮していますから」

 一方、敗れた神戸の三浦淳寛監督は厳しい顔のまま、言葉に怒りをにじませた。

「前半の入り、展開は問題なかったですが、後半2分の失点はありえない。あの失点に関しては気の緩みです」

 神戸は3戦勝ちなしで8位まで後退した。

取材◎杉園昌之


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