川崎フロンターレの鬼木達監督が北海道コンサドーレ札幌戦を前に取材に応じた。昨季のリーグ戦ではホームで唯一、敗れた相手だ。苦しめられた札幌の守備スタイルも「本来なら破れるはず」と強調。J1で22戦無敗というリーグ記録もかかるが、指揮官は記録よりもただ「勝利にフォーカスする」と話した。

上写真=札幌戦へ向けて必勝を誓った鬼木達監督(写真◎J.LEAGUE)

「やらないわけにはいかない」という気持ち

 16日の札幌戦には、J1記録の22戦無敗がかかっている。昨シーズンから続く大記録だが、鬼木監督は「記録よりも、仙台戦は負けてはいないですけど、ああいう追いつかれ方をした。その直後の試合でどういうゲームができるかが大事になる。選手にもそういう話は常々していますが、その重要性は、無敗記録よりも大事にしなくてはいけない」と、勝利をつかむこと自体が何よりも重要だと強調した。12日の仙台戦はアディショナルタイムに同点に追いつかれることになった。勝ち点を逃した直後のゲームで何を見せられるかに集中している。

 連敗はもちろん、続けて引き分けることも許されない。それは「2019年に引き分けが多かった」ことで、タイトルを逃したとの思いがあるからだ。「無敗記録よりも勝ち切るところに自分はフォーカスしていきたい。そういう話を選手にしてきました」。1試合3ゴール以上という高い目標を掲げているのもそのためだ。2ゴールに留まり、最後の最後で追いつかれた仙台戦は、その意味で非常に悔しい結果だった。

 迎える札幌戦は強い思いを持って勝利を目指す。昨季、リーグ戦のホームゲームで唯一敗れた相手でもあり、負けられない。昨年11月の一戦は内容的にも相手のマンツーマンディフェンスに苦しみ、川崎Fの持ち味を出すことができなかった。

「本来であれば、マンツーマンディフェンスに対しては一番、自分たちが崩していけるはずです。そういう戦いをしなくてはいけない。選手の出入りだったり、モビリティー、アイディアで崩していく、それを一番出せるはずのゲームでした。昨年は色んなことが重なり合ったタイミングでの対戦でした。12連勝したあとで、ちょうど(中村)憲剛の引退会見があったり、選手も色んな思いがある中で敗れた。今回とはまた状況が違いますが、仙台戦でああいう形で引き分けたあとで、もう一回、と思っています。『やらないわけにはいかない』という気持ちで挑みたい」

 川崎Fの特徴と強みをしっかり出せば、札幌のマンツーマンの守備も無力化できるはずだと鬼木監督は昨年の対戦を踏まえて語った。

「対策については、相手がこう来たらこう、というよりも、自分たちが出して動くという連続の中で何を見つけられるかだと思います。単純なマンツーマンで来ているときにどこが空いているのか。それを見つけられるかどうか。例えばスカウティングで『こういうところが空く』と分かっていても、実際には違うということもある。そういうときにチームとしても、個人としてもその違いを感じてできるかどうかがすごく重要になる」

 昨季の対戦では、オールコートでマンツーマンを仕掛けてきた相手に気圧されて後手を踏み、結局、敗れることになった。冷静に相手を見ることができなかった。その反省がある。

「マンツーマンで相手が来たときに、それを崩していけるのがやっぱりフロンターレでなくてはいけないと自分は思っています。そういうゲームをしたい」

 積み上げてきたスタイルは、マンツーマンの守備を凌駕できるはず。そんな強い思いが鬼木監督にはある。本来のスタイルを発揮し、複数得点で勝ち切る。引き分けに終わった仙台戦から中3日で迎える札幌戦。ピッチで、川崎フロンターレの持ち味を最大限に発揮するつもりだ。


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