ルヴァンカップで好調な戦いを見せているが、FC東京は現在J1リーグで4連敗中だ。今季は優勝を目指して臨んでいるものの、苦しい戦いが続いている。次戦(本日9日)の相手は鹿島アントラーズ。難敵とのアウェーゲームを前に長谷川健太監督が意気込みを語った。

上写真=鹿島戦に向けてトレーニングする長谷川健太監督(写真提供◎FC東京)

相馬監督の色も出ている

 ルヴァンカップでは無敗で早々とプレーオフステージ進出を決め、直近の神戸戦(5日)も敵地で0-0で引き分け、攻守両面でタイトなプレーを見せた。一方でリーグ戦は現在、4連敗中。失点を重ね、調子の上がらない状態が続いている。

 今季はとくに先制を許すケースが多い。長谷川健太監督が指揮を執るようになった2018年以降、チームは組織力とともに守備力を高めてきたが、ここ最近はリーグ戦でその強みが見られない。

 連敗が始まったのは、9節(4月11日)の川崎F戦からだ。ライバルとの多摩川クラシコで2-4と敗れたあと、「2点を取ったポジティブな部分を強調した一方で4失点したところを少し置き去りにしてしまった」と指揮官は反省する。

 5連敗は許されないだろう。ルヴァンカップで見せているタイトな守備と組織力をリーグ戦でも発揮すべく、ミーティングを重ね、次戦の鹿島戦へ準備してきた。相手の鹿島は対照的にリーグ戦で5戦負けなし。ザーゴ前監督から相馬直樹監督に体制が変わった4月中旬以降で見ても、カップ戦を含めて6戦負けなしだ。その印象について長谷川監督は「鹿島っぽくなってきた。相馬監督の色というのも出しつつやっていると思います」と語る。

「(相馬監督は同じ清水東高校出身だが)年齢も違いますし、重なってはいません。印象としては非常に実直で自分のポリシーは曲げない監督だと感じます。町田時代も、川崎フロンターレで監督をやっていたときも。ちょうどその頃、自分はどこのチームを見ていなかったので一度、取材で話を聞いたことがありました。自分のサッカーに自信をもってやっていると感じました。鹿島オリジナルのサッカーをやりつつも、相馬監督の色というのが出ているなと思います」

 粘り強く勝負強い鹿島伝統の力に加え、相馬監督の色も加わり、FC東京からすれば、より「勝ちにくい」チームになった。そんな鹿島とのアウェーゲームで、連敗脱出を目指すことになる。『ポイントは先制点か?』との質問に答える形で指揮官は言った。

「もちろん先制点を取りたいですし、勝つためには非常に大事な得点になるとは思いますが、取ったからと言ってどうこうなるわけではない。90分通して鹿島には100パーセント以上の力を出さないと、とくにアウェーのカシマスタジアムで勝つことは難しいと思います。われわれが持っている力をすべてを出し切りたい」

 とりわけ留意したいのは、ボールを奪ったあとの選択とプレー精度だという。「ボールを奪った後はうちの生命線になると思いますが、最近のゲームはそこで非常にミスが多かった」。切り替えの部分でミスをなくし、相手を上回ることが勝利への大前提ということだろう。

「守備を堅くするだけでは、なかなか無理だと思います。前節は約束事というか、チームとしての戦い方に、バラツキが出てしまった。組織として非常に緩いというか、ソリッドな戦いができなかった。もう一度、そういうソリッドな戦いを、どのチームに対しても強固な組織を出していかないと、先制点を献上したり、失点を積み重ねてしまう。そういうところは改善していかないといけない」

 立ち返るべき場所を確認して臨む鹿島戦。本来の武器であるソリッドな戦いを発揮し、連敗ストップなるか。


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