2021年5月2日、明治安田生命J1リーグ第12節が開催された。レモンガススタジアム平塚では、湘南ベルマーレと北海道コンサドーレ札幌が対戦。互いに走り合い、攻め合ったが、強風の影響もあって決め切れず、熱闘はスコアレスドローで決着した。

上写真=湘南対札幌は勝利への意欲をぶつけ合う激しい試合になった(写真◎J.LEAGUE)

■2021年5月2日 明治安田生命J1リーグ第12節(@レモンS/観衆4,956人)
湘南 0-0 札幌

・湘南メンバー:GK谷晃生、DF舘幸希、石原広教、大野和成、MF岡本拓也、中村駿、高橋諒、名古新太郎(62分:田中聡)、山田直輝(71分:古林将太)、FW町野修斗(62分:ウェリントン)、大橋祐紀(71分:タリク)

・札幌メンバー:GK菅野孝憲、DF田中駿汰、宮澤裕樹、福森晃斗、MF金子拓郎(66分:柳貴博)、駒井善成(66分:深井一希)、高嶺朋樹(78分:荒野拓馬)、菅大輝(55分:小柏剛)、アンデルソン・ロペス、チャナティップ、FWジェイ(78分:ドウグラス・オリヴェイラ)

岡本のゴールはオフサイドで取り消し

 目まぐるしく攻守が入れ替わる試合になった。互いにアグレッシブな守備から攻撃に転じ、一気に相手がゴールを目指す。走り、奪い、運び、奪われては、また走る。そんな繰り返しでゲームは展開していった。

 ただ、ネットは揺れなかった。一つには強風の影響がある。前半は札幌が風上に立ち、ロングボールで相手ゴールに迫った。ペトロヴィッチ監督が試合に明かしたが、上背の湘南の最終ラインとのミスマッチを狙って、この試合では長身FWジェイを先発起用。A・ロペスとともにターゲットを前線に置いて攻め込むことを狙った。実際に何度か好機を生み出したが、強風でロングボールが伸びすぎるケースもあり、決定的なシュートを導くまでには至らなかった。

 対する湘南も、風上になった後半の途中からエアバトルにめっぽう強いウェリントンを送り込み、風を利して攻めに出た。セカンドボールを拾って2次攻撃を何度も仕掛け、終盤には立て続けにゴールに迫ってみせた。87分にはタリクのオーバーヘッドがクロスバーを叩く惜しい場面を創出。アディショナルタイムにも、CKの流れから浮き球パスをウェリントンがヘッドで裏へ送り、飛び出した岡本がシュート。浮嶋監督も悔やしさを露わにした微妙な判定だったが、オフサイドの判定でゴールは認められなかった。

 結局スコアレスドローで勝負は決着。もちろん勝ち切れなかった悔しさはあるものの、両指揮官は熱闘を終え、前向きな言葉を口にした。

「詰めかけたサポーターに勝ち点3を届けたかった。本当に申し訳ないと思います。ゲームの方は風の影響を強く受けると思っていましたが、その通りになりました。守備の部分に関しては昨年の後半でラインコントロール、プレスもいいものができていましたが、それを今年も最初から出せてより仕上がって来ていると思います。ただわれわれが考えている守備は攻撃につなげる守備なので、その意味では今日はダメでした。ただ、守るということに関してはゼロに抑えたので、その意味では100点ですが」(浮嶋監督)

「両チームとも順位が近いということで勝ち点が欲しかったと思います。ですから高いモチベーションでこの試合に臨みました。ただ、ともに風の影響も大きく受けることになりました。ボールがつながらず、コンビネーションを生かせない場面も多かった。それでも両チームともに狙いが出せない中で、最初から走る、何が何でもポイントを取るという気持ちがぶつかり合う試合になりました。引き分けましたが、妥当な結果だったと思います」(ペトロヴィッチ監督)

 札幌は今季初の連勝ならず。湘南も7戦負けなしだが、1勝6分けとまたも勝ち切れなかった。ともに熱く激しく戦い、ゴールにあと一歩と迫りながら、そのあと一歩が出なかった試合。足りなかった一歩を求めて、次節(9日)、15位の湘南は17位の大分と、14位の札幌は12位の徳島と対戦する。


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