上写真=谷口彰悟が4点目を決めた遠野大弥を祝福。4月29日の名古屋戦で相手の布陣変更にも冷静に対応した(写真◎J.LEAGUE)
「独走していく態勢にしたい」
名古屋グランパスとの連戦で、まずはアウェーの初戦に4-0で完勝した川崎フロンターレ。第2戦に向けて準備を進める中で、キャプテンの谷口彰悟の言葉が潔い。
4月29日のゲームでは23分までに3点をリード。30分に名古屋は2人を交代させ、早々に変更を施してきた。
「中盤の人数を増やしたな、4-3-3っぽい形にしてきたなと。そうなると多少は変わってくるだろうと、こちらも試合の中で立ち位置やボールの動かし方を変えていかなければいけなかったです。でも、このチームは相手を見ながらできるので大きな混乱はなくて、少し停滞はしましたけど相手の良さを出させませんでした」
何をしてきたとしても、自分たちで対応できるよ、という自信の表れである。その一端に挙げたのが、スピードについて。名古屋の鋭いカウンターに対応するために、奪われたあとにプレッシャーをかけ、それを抜け出されたとしても適切な場所に戻ってくるスピードが上がっているという手応えだ。
「前線や中盤の選手を含めて、プレッシャーにいったあとの戻りのスピードのところでハードワークしてくれました」
「昨年からそこに関しては高い要求というか、監督からも言われますし、後ろでやっている僕たちもやってくれるのとやらないのでは大きく違うと感じているので、僕たちも要求する部分です。頑張りどころというか、そういうポイントをつかんで逃さずにやり続けることが染みついてきているのを感じています。ただ、限界はないというかスプリントはいくら増やしても損をすることはないですから、もっとやっていきたい」
まだまだできることはある、という意識だ。
5月4日には再び名古屋と決戦だ。今度はホームゲーム。現在は6ポイントの差がついていて、ここでも勝てば9ポイントに開く。独走態勢に入れるかどうかの分かれ道。
「勝てば勝ち点3以上の価値があると言われて、大きなポイントになるのは分かっています。でも、まだリーグ前半戦です。名古屋に勝ったからと言って優勝できるような簡単なリーグではないと理解していますし、うぬぼれていません」
圧倒的に勝って優勝した昨季に続いて、今季も立ちはだかる難敵を次々に倒して11勝2分け無敗。それでもうぬぼれない。「1強時代」は続くのか。
「直接対決へのこだわりは強く持っているし、こだわらないチームは優勝できません。まだまだ優勝は意識していませんが、直接対決で勝って常に自分たちがリーグを引っ張って独走していく態勢にしたいという気持ちは強いです。だから、そうなれるように次もしっかり戦って勝ちたいと思います」
勝つことは難しいが、勝ち続けることはもっと難しい。だから、容赦はしない。勝利をまっすぐに追求する心意気に、強さの一端が垣間見える。