上写真=15年ぶりの大阪ダービーへ向けてトレーニングする大久保嘉人(写真提供◎CEREZO OSAKA)
熱い試合、良いゲームを届けたい
5月2日、今季最初の大阪ダービーが行なわれる。現在の順位はセレッソ大阪が5位(勝ち点20)で、ガンバ大阪は17位(勝ち点6)。ガンバは新型コロナウイルスの影響で2週間の活動休止があり、試合数が5試合少ない。勝ち点差だけで両チームの状態を判断するのは早計だろう。ただし、セレッソは12試合で6勝2分け4敗で、対するガンバは7試合で1勝3分け3敗。ガンバが好調とは呼べない状態であるのは間違いないところだ。
しかし、自身にとって2006年以来となる大阪ダービーを控え、オンライン取材に応じた大久保は言った。
「ガンバも今あまり調子は良くないですが、ダービーとなればまた違ったパワーが出てくるだろうし、セレッソも同じでまた違ったパワーが出てくると思う。激しさも出てくるはず」
ダービーは成績とは別に「違うパワーが沸いて出てくる」試合なのだ。21年のキャリアの中で大久保は何度もそのことを痛感させられてきた。だから気を抜かず、全力で臨むと話す。
大久保自身は今季開幕から5戦5発と好調なスタートを切ったものの、3月14日の横浜FC戦以降、1カ月以上ネットを揺らしていない状況が続く。ただ、Jリーグ最多得点記録保持者には、慌てる様子が微塵もない。「得点王と取ったときも7、8試合取れない時期がありました。でも、最後は26点取ったので、全然心配していないですね。取れる時は取れる。取れない時は取れない」。2013年から3年連続得点王に輝いたゴールゲッターは、さらに、こう言葉をつないだ。「ただ、その中でもチームのためにやれることはいっぱいあるので。今日は取れそうもないなと思えば、そういうところに力を入れる。それを分けながらやれているというのは、今の自分の好調の要因の一つでもあるのかなと思います。チームが勝てばそれが一番いい。点を取れればいいですけど、そんなに簡単ではないので、チームのためにやりたいと思います」。
もちろん、ゴールで勝利に貢献することを目指すが、それ以外にもチームのためにプレーできるときっぱり言い切った。「自分としては久々のダービーなので、非常に楽しみな気持ちです」とモチベーションも高い。さらに今回は緊急事態宣言中の開催となったため、無観客で試合が開催されるが、だからこそ「熱い試合、良い試合をできれば」と強い思いも口にした。
画面を通して試合を見守るファン・サポーターの心に訴えかけるプレーとゲームをーー。再びセレッソのユニフォームを着た大久保嘉人は5月2日、15年ぶりの大阪ダービーに臨む。