横浜FCとのダービーマッチは、横浜F・マリノスが5-0と快勝した。その立役者の一人なったのが、オナイウ阿道だ。先制のPKを獲得し、自らも2得点する活躍ぶりを披露。ハマのストライカーは昨シーズンに感じた悔しさを力に変えている。

上写真=チームの2点目、3点目となるゴールを挙げ、大勝を導いたオナイウ阿道(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月24日 明治安田生命J1リーグ第11節(@日産ス/観衆12,297人)
横浜FM 5-0 横浜FC
得点者:(横)マルコス・ジュニオール、オナイウ阿道2、前田大然、レオ・セアラ

PK獲得と2ゴールで貢献

 横浜F・マリノスに勢いが出てきた時間帯のことだった。左サイドでボールを持ったティーラトンが、ゴール前へと縦パスを送る。自ら受けると思われた前田大然がDFを背負いながらスルーすると、その先では、オナイウ阿道がボックス内へ抜け出していた。

 たまらずスライディングを試みた横浜FCのDF袴田裕太郎に倒されてPKを獲得。チームのコンビネーションとオナイウの動き出しによって手にしたこのPKをマルコス・ジュニオールが決め、横浜FMがリードを奪った。

 3トップの中央で先発したオナイウは、先制点から5分後にも大仕事をやってのける。マルコス・ジュニオールの右CKに合わせて打点の高いヘディングを敢行。一度はGKに弾かれたものの、エウベルが戻したボールをしっかり蹴り込み、リードを広げた。

 チームを完全に勢いに乗せたオナイウは後半、勝利を決定づける。右サイドに開いていたマルコス・ジュニオールが最終ラインの裏に送り込んだボールに、しっかりと反応。スピードに乗って走り込みながらボックス内で急停止し、前に出てきたGKをかわすと、落ち着いてゴールネットを揺らした。

「決め切れていない中で、(自身の)2点目が取れた。より勝利に近づけるゴールを取れたことが良かったと思う」。チームを大勝に導いたオナイウは、そう語って喜びをかみしめた。

 背中を押しているのは、昨季感じた悔しさだという。チャンピオンチームに迎えられたが、シーズン途中にはFW陣にジュニオール・サントスも加わり、リーグ戦での先発は8試合にとどまった。2019年には大分トリニータで10ゴールを挙げていたが、昨季は4得点と半分以下の数字に終わった。

 意を決して臨んだ今季は開幕スタメンをつかんだものの、その後はベンチにまわる試合もあった。それでも8節のセレッソ大阪戦で交代出場から決勝点をマーク。「去年よりも、試合に出たときに波なくできていると思う」。この日の2ゴールで、今季は5得点。すでに昨季の成績を超えた。

 オナイウがつくり出した流れに乗って、新加入のレオ・セアラも得点してチームは5-0と大勝を果たした。レオ・セアラはライバルともなり得るFWだが、「競争はどこにでもある。その中で得点と結果を出して、チームや監督にスタッフ、全員から信頼され、その信頼に応えられる選手になりたい」と、自身は新FWを歓迎。さらなる刺激に変えている。

「前節もそうだし、相手のやり方は毎回違う。その中でゴールを取ることにフォーカスして、しっかり結果を出せているのはFWとして大事だと思う。またルヴァンカップもあるし、続けて取れるようになっていかないと」。オナイウをさらに加速させる横浜ダービーとなった。

取材◎杉山 孝 写真◎J.LEAGUE


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