柏レイソルが少しずつ調子を取り戻してきた。一時は4連敗など苦しんだが、ここ2試合は1-0で今季初の連勝を飾っている。好調の要因の一つが、三丸拡の前への意識。左ウイングバックとしてスピードとパワフルな左足でチームの翼になっている。

上写真=どんどん前へ、の意識で好リズムをもたらす三丸拡。その左足でチャンスを作る(写真◎KASHIWA REYSOL/J.LEAGUE)

「どういう姿勢で試合に臨むべきなのか」

 遅ればせながら、柏レイソルが反撃開始だ。J1第9節のガンバ大阪戦で2勝目を挙げると、続く第10節大分トリニータ戦でも勝利。今季初の連勝を手にした。しかも、ともに1-0。シビアな戦いを乗り越えてきたことを、そのスコアが示している。

「一つはシステムの変更があったことですね」

 三丸拡は要因を明かす。3バックの前にウイングバックとボランチ、その前に2人のシャドーが並んで1トップを置く3-4-2-1の布陣で戦った。三丸はこの2試合で左ウイングバックとして先発フル出場している。

「得点が奪えていなかった中で、どんどん後ろから枚数を増やして攻撃に絡んでいくことは、ここ2試合はチームで意識しようとしているところです」

 特に両ワイドは、4バックのサイドバックよりも仲間を追い越して最前線に飛び出していきやすく、攻撃に入ったらまさにウイング的に機能できる。G大阪戦の決勝ゴールは、右CKの流れから左サイド深くで拾って三丸が送ったクロスのこぼれ球を、大谷秀和が蹴り込んだものだ。

「ウイングバックで監督に求められるのは、サイドで上下動するだけではないと言われています。中に入ったりゴール前に入っていくことは常に言われていますし、もちろんリスク管理をしながらですけど、前にスペースがあるときは積極的に出ていくことは、僕もそうですし(右サイドの)北爪(健吾)選手も勢いを持ってできていると思います。個々の特徴がうまく出ているのかな」

 まさしく左右の翼を大きく広げてアタックに出ていけるのだ。

 好循環なのは、正しい守備から攻撃に移ることができているということ。

「ただ攻撃だけではなくて、いい守備から攻撃に移ることがガンバ戦で出ました。それをベースに戦うことが共有できています」

 一つの勝利が重要なことをチーム全体に改めて植えつけた。

 この連勝の間の4月14日には、トップチーム選手4人が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けたと発表された。

「いろいろ難しい状況ではありますけど、どう戦えば結果が出てくるのか、もちろん勝てない試合はあるかもしれないけれど、どういう姿勢で試合に臨むべきなのかは確実にチームの中で見え始めていると思います」

 長かったトンネルから見えた連勝の光。三丸が遠慮なく前に前にと仕掛けるそのパワーで、ここから浮上していく。


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