下平隆宏監督の解任に伴い、横浜FCの新監督に就任したのはユースの監督を務め、トップチームのコーチ経験や代行監督として指揮を執った経験を持つ早川知伸氏だ。新指揮官はチームの立て直しに向けてアタッキングフットボールを継承する中でも守備の改善と選手の積極性を取り戻すことに注力したいと語る。監督交代を機に、チームは浮上することができるか?

上写真=オンライン会見で、メディアの質問に答える早川知伸新監督(写真◎横浜FC)

躍動していると思えないところがあった

 成績不振を理由に解任された下平隆宏監督のあとを受け、早川知伸監督が9節から横浜FCの指揮を執ることになった。強化部から就任の可能性を告げられたのは、5日月曜日。7日水曜日にチームが広島に敗れ、今季7敗目を喫したあとで正式に就任を打診された。「びっくりでした」と振り返るそのオファーを、しかし「クラブのために」と新指揮官は受け入れた。

 現在チームは開幕から8戦未勝利で最下位に沈む。立て直しを託された格好だが、早川新監督は外から見ている中で、「(選手が)躍動しているとは思えないところがありました。まずは選手たちが積極的にプレーできるように考えてやりたい」と話し、「選手たちがキックオフから最後まで集中して、真面目にハードワークしてくれることを望みます」と、戦う前提として選手に献身性と運動量を求めている。

「サッカーはシンプルなもの」だと最初のミーティングで選手に話した指揮官が志向するのは、攻守に主導権を握るアタッキングフットボールになる。下平前監督が積み重ねてきたポゼッションスタイルを継承しつつ、そこに現在の問題点を踏まえて修正を加えていきたいという。

「守備のところ、失点についてはすごく気になっています。どこのミスから失点しているのか。自分たちが主導権を握って前に優位にボールを運びたいと言っている中ではあるものの、そこでの自分たちの距離感や関係性が持てなくてミスパスになっていることが正直、多いと感じます。自分たちがボールを握るにしても、リスクを管理しながら動かせるようにしたい。その修正を考えています」

 前任の下平監督も、その点で考え方は同じだったが、今季はなかなかピッチで『バランス』を表現できなかった。ここまで喫した失点22はリーグ最多だ。

 難しい仕事を託された早川新監督は「クラブに対する思いは人一倍あります。監督になれば、この先は解任だったり、辞任だったりしかない。このクラブでの最後のミッションだと思ってトライさせて頂きたい」と覚悟を示した。チームに新しい風を吹かせ、刺激し、まずは今季初勝利を目指す。


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