4月3日の明治安田生命J1リーグ第7節で、サンフレッチェ広島とガンバ大阪が対戦。約1カ月ぶりの公式戦となったG大阪に対し、広島は終始押し気味に進めながらも得点できず、スコアレスドローに終わった。

上写真=久しぶりの試合となったG大阪は広島の攻撃を最後までしのぎ、勝ち点1を得た(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月3日 J1リーグ第7節(@Eスタ:観衆8,865人)
広島 0-0 G大阪

・広島メンバー◎GK大迫敬介、DF野上結貴、荒木隼人、今津佑太、東俊希、MF川辺駿、青山敏弘、森島司(86分:長沼洋一)、FW浅野雄也(83分:柏好文)、ドウグラス・ヴィエイラ、ジュニオール・サントス(83分:エゼキエウ)
 ※実際のポジションで表記

・G大阪メンバー◎GK東口順昭、DF髙尾瑠、三浦弦太、昌子源、藤春廣輝、MF井手口陽介、山本悠樹(83分:チュ・セジョン)、倉田秋(68分:福田湧矢)、FW小野瀬康介(83分:矢島慎也)、パトリック(68分:レアンドロ・ペレイラ)、チアゴ・アウベス(61分:宇佐美貴史)
 ※実際のポジションで表記

「喜びや感謝の感情を込めて」

 キックオフが近づくにつれて上空の雲が晴れ、春の日差しが降り注いだエディオンスタジアム広島。G大阪は2月20日の富士ゼロックススーパーカップと27日のJ1第1節を消化した後、選手とスタッフ数名ずつに新型コロナウイルスの陽性反応が出てリーグ戦6試合を開催できなかったため、約1カ月ぶりの公式戦に臨んだ。

 広島は立ち上がりの7分、森島のドリブル突破からのパスを受けた川辺がゴールに迫ったが、ドリブルが大きくなってシュートが遅れ、G大阪の藤春にブロックされる。G大阪はその後も押し込まれる展開となったものの、前線へのロングパスなどでゴールに迫り、チャンスをうかがった。

 前半半ば、試合の流れが変わりそうな場面があった。G大阪は22分、右CKを倉田がヘッドでフリック。広島が防ぎ、しばらくプレーが続いたのち、24分過ぎにVARの介入によって佐藤隆治主審が試合を止めた。倉田がフリックしたボールがエリア内で広島の青山の手に当たったプレーが、ハンドリングの反則かどうかのオンフィールドレビューが行なわれたが、佐藤主審は反則を取らなかった。

 広島は31分、ドウグラス・ヴィエイラが相手に鋭く寄せてボールを奪うと、ジュニオール・サントスの突破から波状攻撃を仕掛けたが、決めることができない。43分には森島の左CKから、こぼれ球を今津が至近距離から狙うも、G大阪の東口がブロック。なかなか得点を奪えず、前半は0-0で終了した。

 後半は広島が前半以上にボールを支配し、G大阪の守備を何とかこじ開けようとする。J・サントスのドリブル突破や左右からのクロスで得点を狙うものの、G大阪の粘り強い守りを崩せない。

 終盤はボールへの圧力が弱まった広島に対し、G大阪がパスをつないで攻め込むシーンが増える。81分には左サイドを崩してセンタリング、こぼれ球を拾った福田が右足で狙ったが、わずかに外れて決まらなかった。広島も終盤は良い形を作れず、そのまま0-0の引き分け。試合終了の瞬間、スタンドに詰めかけたG大阪のファン・サポーターから大きな拍手が沸き起こった。

 G大阪の宮本恒靖監督は「予想していたくらいのフィジカルコンディションの試合になった。初戦(第1節)を落としていて、勝ちたいと思って準備してきたので残念ですが、70分以降の厳しい試合をみんなでしっかり戦い切ったところ、危ないシーンを作られても粘り強く守ることができたのはプラス」と振り返った。広島の決定力不足に助けられた面もあったとはいえ、アウェーでの再始動の一戦を無失点で終えたのは収穫と言えるだろう。

 指揮官は、選手たちが2週間、自宅で練習した後に、短い準備期間で再開初戦を迎えたと説明した上で「厳しい反面、再びピッチに立てる喜びが、間違いなく我々にはある。喜びや感謝の感情を込めてプレーしよう、と言っていた。そういったものがゴール前での体を張るプレーに出ていたのかなと思う」とコメント。苦境を乗り越えて勝ち点1をつかんだ選手たちの奮闘を称えた。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE


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