名古屋グランパスが代表ウィークでの2週間で、回復に成功した。マッシモ・フィッカデンティ監督は選手の疲労を取り除き、戦うコンディションに戻したと明言。6連勝で盤石な体制をさらに強化している。

上写真=6連勝を達成したチームを率いるマッシモ・フィッカデンティ監督。失点1の堅守が光る(写真◎J.LEAGUE)

「集中力が先に欠けた方が失っていく」

 3月21日に鹿島アントラーズを1-0で下して6連勝を達成したあと、代表ウィークに入り、名古屋グランパスは2週間の時間を手にした。その間に変わったこと、変わらなかったことがある。

 変わったことは、まずは選手のコンディションだ。開幕からの連戦続きで選手の疲労も蓄積。マッシモ・フィッカデンティ監督は疲れを抜くことを優先させた。

「6試合を中2日、中3日の日程でやってきましたが、特に中2日のあとの疲労は一気にたまるので、まずはリカバリーすることが必要でした。ただ休みを与えたというよりも、もう一度戦うために選手たちのコンディションを整えようと有効に時間を使うことができました」

「2週間で一番大きかったのは、回復して次に向かって仕上がった状態を作れたことです」

 フレッシュな状態に変化したチームが迎えたもう一つの「変わったこと」は、スケジュールだ。AFCチャンピオンズリーグの日程が変更されたことで、J1のスケジュールにも調整が入った。4月3日のFC東京戦から始まる5連戦では、また中2日で戦わなければならないゲームもある。4月11日の第9節、アウェーの大分トリニータ戦のあとに組み込まれることになった4月14日の第19節、ホームのサンフレッチェ広島戦がそれだ。

「日程が決まってそれに合わせてチームを運営することから自分の作業は始まります。中3日はギリギリで、中2日ではケガのリスクはグッと上がります。それでも試合をどう戦ってどう勝つか。その中で最大限の努力はしますが、選手をどう守るかの危機管理をぐっと高めなければいけなくなります。選手を代えながらやっていくしかないと思っています」

 その5連戦のあとにセットされたのが、川崎フロンターレとの連戦だ。4月29日の第22節がホームゲームで5月4日の第12節がアウェーゲーム。そこまでにどちらも勝ち続ければ、今季を占うビッグマッチになるだろう。

 一方で、変わらなかったことはチームビルディングの手法だ。回復を含めた2週間という時間で、修正を図るポイントはどこだったのか。

「キャンプ中もそうでしたが、時間のあるときに何かに偏って作業することはありません。逆にあらゆる部分に手をつけたということです」

 裏を返せば、集中して手厚く修正を施す必要に迫られるものが一つもない、という順調さを示していることにもなる。

 変わっていないものがもう一つあった。リーグ再開初戦でホームに迎えるFC東京について。

「すごくハードなゲームを今年もやっているな、という東京の印象は今年も変わっていません。フィジカルのレベルも質も高く、そういうゲームに持っていく能力が高いので、今回の対戦もハードなものになると思います。こちらもしっかり準備しています。準備したものぶつけ合って、集中力が先に欠けた方が失っていく、そういう流れになると思っています」

 両者の大きな違いは失点の数で、FC東京の10に対して名古屋は開幕戦にオウンゴールで1点を失ったあとは5試合連続無失点だ。高い集中力というポイントでいえば、名古屋に分がありそうだが、果たして7連勝なるか。


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