徳島ヴォルティスはルヴァンカップのグループステージ第1節でFC東京と対戦し、0-1で敗れることになった。悔しい敗戦の中で、小西雄大は、チームが表現できているものとできていないものをしっかり認識していた。

上写真=永井謙佑を抑えつつ前進する小西雄大(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月3日 JリーグYBCルヴァンカップGS第1節(@味の素ス/観衆3,788人)
FC東京 1-0 徳島
得点:(F)田川亨介

感触で言えば全然悪くなかった

「前半はできていたと思う。ピッチの中でやっている感触で言ったら、全然悪くなかったと思います。それを続けられれば、相手の足も止まってきたと思いますが、後半みたいなサッカーをしていると後々きつくなる」

 内容は、それほど悪かったわけではない。小西はゲーム内容について、そう振り返った。J1開幕戦からメンバーをガラリと入れ替えた中でも、ボールをつなぐチームの本分をピッチで示すことができた。問題だったのは、アタッキングサードにさしかかってからだ。中を締めるFC東京の守備陣を崩すことができず、決定的なシュートを放つことができなかった。運べても、崩せない。結果、時間の経過とともに、相手にペースを握られた。

「(後半は)ボールが持てなかったので、そのぶん相手に持たれている時間が長くなり、守備に回る時間が長くなって、それでスライドしたり、前に出て行ったり、下がったりという繰り返しで疲労も溜まっていきました。最後の10分は明らかに運動量が落ちました」

 自分たちの持ち味を出せている時間に、ネットを揺らせなかったことが痛かった。最後のところで厳しいパスや崩しのアイディアが足りなかったことは否めない。

「難しいところもあると思いますが、そこ(最後の崩し)の練習自体はまだあまりやっていないのもありますし、僕がきょう感じたことは、個人がもっとアイディアを出していいんじゃないかということ。去年に比べれば、プレーが小さくなっている選手というのも多くなっているんじゃないかと思う。やっぱりゴール前(のプレッシャー)は厳しいので、そういったところで意外性というのは、出していければと思います」

 アイディアやそもそものシュートへの意識が足りず、プレー自体がやや消極的になっていたのかもしれない。シュート数そのものは5本を記録し、FC東京の3本にまさっている。ただ、決定的なシュートは、相手GKに阻まれた後半早々の河田篤秀のシュートくらい。小西自身も57分に自らがキッカーとなったCKの流れからシュートを放つなど状況を打開すべくプレーしたが、最後までゴールは遠いままだった。

 スコアを見れば分かるように完敗かと言えばそうではないが、着実に勝利をつかむためには、ビルドアップをさらに磨くことはもちろん、崩しのアイディアを発揮し、フィニッシュワークの精度を上げることが必要だ。

「全然やれたと思いますし、もっともっと僕たち自身、チームとして自信をもってやれればと思います」

「やっぱり僕らはボールを持つチームなので、積み上げてしっかりやっていきたい」

 進む道が間違いないことは、小西も他の選手たちも実感するところ。明確な課題は、最後の部分だ。新規外国人の入国制限によりダニエル・ポヤトス新監督が不在の中でも、チーム全体でいま一度、共有すべき事項だろう。


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