2021年3月3日、JリーグYBCルヴァンカップGS第1節が開催された。ニッパツ三ツ沢球技場では横浜F・マリノスとベガルタ仙台が対戦。前後半で展開はまったく変わったが、序盤に攻勢に出た横浜FMが開始16分で奪ったリードを守り切り、1-0の勝利を飾った。

上写真=オナイウ阿道が16分に先制点。このゴールが決勝点となり、横浜FMが勝利を飾った(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月3日 YBCルヴァンカップGS第1節(@ニッパツ/観衆3,851人)
横浜FM 1-0 仙台
得点者:(横)オナイウ阿道

・横浜FMメンバー◎GK高丘陽平、DF松原健、チアゴ・マルチンス、伊藤槙人、高野遼、MF岩田智輝、渡辺皓太(83分:扇原貴宏)、水沼宏太(70分:小池龍太)、樺山諒乃介(70分:仲川輝人)、FW前田大然(70分:マルコス・ジュニオール)、オナイウ阿道

・仙台メンバー◎GK小畑裕馬、DF真瀬拓海、シマオ・マテ、平岡康裕、長倉颯(46分:蜂須賀孝治)、MF富田晋伍(46分:氣田亮真)、松下佳貴、佐々木匠(64分:田中渉)、中原彰吾(84分:吉野恭平)、石原崇兆、FW皆川佑介(64分:加藤千尋)

新しいフォーメーションを披露しつつ…

 序盤から、横浜FMがボールを支配する。先発メンバーをリーグ戦第1節から7人入れ替えるとともに、新たに4-4-2のフォーメーションを採用。中盤中央では岩田智輝と渡辺皓太が縦関係となり、樺山諒乃介と水沼宏太が左右に幅を取る。16分に岩田が相手選手間を斜めに切り裂くパスを右サイドへ通すと、すかさず水沼がクロス。ニアサイドへ走り込んだオナイウ阿道が右足で合わせて、先制点を決めた。

 仙台は3つのラインを敷いて低い位置にブロックを築くが、横浜FMはFWのオナイウ阿道が引いて相手選手間に顔を出して自在にボールを回し、引きつけてはサイドのスペースにパスと、試合をコントロールする。仙台はほとんど何もできず、39分に石原崇兆が長い距離をドリブルで運び、中原彰吾につないで放ったシュート1本に終わった。

 ハーフタイムに2人を交代させた仙台は、打って変わって前線から守備をする積極的な姿勢を示して後半を開始する。1列下がって中盤の底に入った中原彰悟がボールを動かし、他の選手たちが積極的に仲間とボールを追い越していく。57分にはスローインからつないだ石原のシュートでCKを獲得するなど、チャンスを増やしていった。

 前半とまったく流れが変わり、横浜FMの4本を超える7本のシュートを放った後半の仙台だったが、ゴールには至らない。86分に田中渉が放った際どいシュートも、惜しくもゴールわずか左に外れ、サイドネットを揺らすだけだった。仙台は積極的に攻め続けたがスコアは動かず、互いに求めた今季公式戦初勝利は、横浜FMのものとなった。

 アンジェ・ポステコグルー監督は「前半は皆でチャンスをつくったし、あと2点取れるシーンがあった。後半はなかなか試合をコントロールできず、チャンスも少なかった。それでも、全体的には悪くなかったと思う」と、初勝利を評した。

 一方、敗れた仙台の手倉森誠監督も「後半はメンバー交代で攻め立てることができた。最少失点の敗戦で、チームとしては全体の手応えを感じていると選手たちにも話した」。まだまだリーグ戦もルヴァン杯も始まったばかりで、「必ずやり返せるという手応えがある」と、この日の試合のような逆襲を予言した。

取材◎杉山孝 写真◎J.LEAGUE


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