2月24日、Jリーグがリーグ開幕に向けてオンラインで対戦カードごとに記者会見を実施した。ザーゴ監督体制2年目の鹿島アントラーズと、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が新たに指揮を執る清水エスパルスの一戦。開幕戦に向けて両指揮官が思いを言葉にした。

上写真=鹿島アントラーズのザーゴ監督と清水エスパルスのロティーナ監督。昨シーズンの最終節でも両指揮官は対戦した(写真◎スクリーンショット)

■2021年2月27日(土)15:00KO J1第1節(@カシマスタジアム)
鹿島アントラーズ 対 清水エスパルス

「“打倒フロンターレ”だけではない」

 ブラジル人とスペイン人の両指揮官が、開幕戦で火花を散らす。鹿島のザーゴ監督と清水のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は、昨季最終節でも顔を合わせた。ホームで勝利を奪うことができず失意のザーゴ監督とは対照的に、勝ち点1を獲得してC大阪にAFCチャンピオンズリーグ出場権をもたらしたロティーナ監督は笑顔を見せた。ロティーナ監督はその試合でC大阪の指揮を終え、今季は新たに清水を率いる。

「昨年から多少の問題を抱えているヘナトとエウシーニョはまだしっかりと合流できてはいませんが、キャンプの時期も(選手の)大きなケガもなく、ここまで順調な積み上げができています。新しい選手も入り、私も1年目となるので、チームに変化もあります。そこで(戦術を)落とし込む仕事だったり、チームとして浸透させていくためのたくさんの仕事がありますが、前向きにやっていけるものと信じています」

 ロティーナ監督はそのように語り、開幕前のチーム状況に手ごたえを得ているようだ。ただ、対戦相手の鹿島については、「本当に強いチームだという印象を持っています」と警戒する。「昨年は変化があり、苦しんだところもあったと思いますが、そのあとは“さすがアントラーズ”と。しっかりと巻き返して、また強いチームに復活しました。今年もその強さは続くでしょうし、タイトルを狙える力があるチーム。アジアを代表するようなチームです」と、対戦前に敬意を表した。

 一方のザーゴ監督は清水について、「エスパルスは移籍マーケットをうまく活用し、素晴らしい補強をした」と、戦力が上積みされていることに注目する。昨季は3度の対戦で3勝した相手でもあるが、「我々もしっかりと対策をとりながら試合をできればと思っています」と、指揮官も変わった今季は一筋縄ではいかない相手であることを認識する。

 今季はともにJ1の頂点を目指す上で、昨季王者を上回る強さを見せる必要がある。だが、「“打倒フロンターレ”だけではなくて、Jリーグは非常に拮抗したリーグ。全チームに優勝の可能性がある」(ザーゴ監督)、「対戦相手というのは川崎フロンターレだけではありません」(ロティーナ監督)と両指揮官はきっぱり。ザーゴ監督は「全チームに敬意を払いながら、試合をこなしていく」と、すべてのJ1チームとの対戦に全力を注ぐことを強調した。

「素晴らしいサッカーを見せて、日本のサッカーを通じて世界に喜びや勇気を伝えることができれば」とザーゴ監督が話せば、ロティーナ監督は「相手がゴラッソを決めるようなこともあれば、逆に我々のゴールもある。その場面、場面で精神的なダメージを受けることもあれば、逆に盛り上がることもある。いろいろなことが起こるからこそ、サッカーは美しいのです」と言葉に力を込める。

 昨季はシーズン序盤につまずいた鹿島のザーゴ監督にとっても、新天地で良いスタートを切りたいロティーナ監督にとっても、勝ち点3を獲得したい開幕戦。両者の勝利への思いが、見る者を熱くさせる試合を生み出すことだろう。


This article is a sponsored article by
''.