J1のタイトル奪還へ、横浜F・マリノスがキャンプを続けている。昨季は超過密日程とAFCチャンピオンズリーグへの参戦もあり、リーグは9位と苦しんだ。失点59からの守備の改善に向けて、DF畠中槙之輔も新たな挑戦を繰り広げている。

上写真=より高い場所を目指す畠中槙之輔。背番号も4に変わってさらなる自覚が生まれた(写真提供◎横浜F・マリノス)

「絶対的な存在になりたい」

 2021年のJリーグで華々しく開幕を告げるのは2月26日、昨季チャンピオンの川崎フロンターレとの「金J」だ。横浜F・マリノスにとってはアウェーでの一戦となるが、一昨年王者としてはここでしっかりと勝っておきたいところだ。

「去年、フロンターレさんは圧倒的な攻撃力でタイトルを取りました。僕はディフェンダーなので対戦するのが楽しみですし、ここでのスタートが今シーズンに自分たちが勢いに乗れるかどうか大事な一戦なので、気持ちよくシーズンに入れるようにしっかり叩いていいスタートを切れるように頑張りたいと思います」

 J1連覇、複数タイトル獲得、AFCチャンピオンズリーグ制覇、1試合3ゴール、などを掲げて今年もパワーアップしようとしている川崎Fをたたいておけば、猛烈なインパクトになるだろう。

 その勝利のために、キャンプでの厳しいトレーニングは続いている。

「2019年、20年とキャンプ中にケガをしてしまって体を作れなかったんですけど、今年はケガなくやれています。チーム状態もいままでやってきていない新しいものにチャレンジしていますが、時間をかけてみんながそれぞれ戦術理解ができて体現できているので、順調だと思いますね」

 頼れるセンターバックが調整に不安を抱えていないことは、チームにとって大きな礎になる。しかも今季は、3バックのセンターという役割を与えられているというのだから、その進化の過程に興味が湧いてくる。

「攻撃でも守備でも重要なポジションです。守備についてはいままで以上に周りをまとめてどう守るのか、どうボールを取りに行くかでリーダーシップが必要になります。攻撃では自分が前に出ていったり、いかにスムーズにボールを前進させられるかが求められています。そこは得意な部分でもあるし、良さを出せる部分なので、これから質を高められればと思っています」

 4バックのセンターや3バックの左でプレーするときにも増して、責任がのしかかる。それが刺激的だ。

「攻撃でも守備でも存在感を発揮できて、『オレがいるからしっかり守備もできて攻撃の起点にもなっている』とアピールしたいですね」

「3バックの左でプレーしていたときには、ほかにセンターバックが2人いるという安心感がありました。今度は自分が真ん中なので、オレがいるからほかの2人はボールに対してどんどんアタックして平気だぞ、という安心感を与えられればいいと思います」

 新しいタスクを自分のものにして、その先も見据える。日本代表への復帰だ。

「チームのためでもあるし、代表でもプレーしたい気持ちはあります。これまで通りだとチャンスはつかみきれないと思っています。今季は新しいポジションということもありますし、まだどういうフォーメーションで、どういうポジションでスタートするかは分からないけれど、いままで以上に運動量が必要になったり攻撃に絡むシーンは増えていくと思います。その質を高めて、Jリーグでハイパフォーマンスを続けていかなければと感じています」

 新しい背番号4は、クラブのレジェンドである栗原勇蔵クラブシップ・キャプテンがつけていた、重みのあるナンバーだ。

「存在感を出して、周りに安心感を与えられる絶対的な存在になりたい」

 2021年、畠中槙之輔はピッチの上で唯一無二の男になる。


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