J1王者、川崎フロンターレが1日、キャンプをスタートさせた。初日のトレーニングを終えて取材に応じた鬼木達監督は、開幕までの準備について、新加入の選手の特徴把握とチームコンセプトの確認を経て、「積み上げ」をテーマに進めると語った。

上写真=チームは1日からキャンプイン。鬼木監督はまず新戦力の把握に努めると話した(写真提供◎KAWASAKI FRONTALE)

基本は4ー3ー3を継続の方向

 昨シーズン、チームは4-3-3にトライし、採用1年目にして見事に優勝を成し遂げた。数々の記録を打ち立てることにもなったが、鬼木監督の中では「まだ1年」という認識がある。

「昨年からやり始めたことは1年くらいしか経っていないので、とにかく積み上げていく。(キャンプのテーマは)確認作業と積み上げ」

 その戦いぶりを見るにつけ、はた目には他チームに比べても完成度は高いと映るが、指揮官にとってはまだまだ理想に到達してはいなかった。伸びしろが大いにあると感じている様子だ。取材陣からフォーメーションについて問われたときには、こう答えている。

「基本は4-3-3でやっていこうという考えです。選手にも伝えました。1年で、本当に数字こそ、みなさんから言ってもらえるような圧倒的なものを出せましたけど、試合内容がそれにどれだけ伴っていたか。まだまだ改善できるところがある」

 キャンプでは、これまでやってきたことを確認することから始めて、新加入選手たちの特徴を把握し、チーム戦術の浸透を図っていくとした。

「(オフに)色んな選手が入り、既存の選手が抜けていったというのもあるので、選手の組み合わせを見たい。システムも大事ですけども、選手の特徴を見て、今のシステムの進み具合を見つつ、いい形で進めば、また新しいシステムもオプションとして持てるようなことはしたい。ただ、順番は今の積み上げだと思います」

 4-3-3を継続するとすれば、ポイントの一つに挙げられるのは、アンカーの人選だ。昨季、同ポジションでハイパフォーマンスを披露した守田英正はポルトガルへ移籍した。当然、現行の形のままで戦うのなら、アンカーの担い手を新たに探す必要がある。昨季序盤にその役割を担った田中碧や新加入のシミッチ、その他の選手も含めて候補者は何人かいる。誰が、中盤の底を務めるのか。最適解を見いだす作業をキャンプで進めることになる。

 むろん、形ありきではないため、適材なしと判断すれば、形そのものに修正を加えることもあるかもしれない。選手の特徴と組み合わせを見極め、その力を最大化することが本来の目的だ。新シーズンは昨季の終盤以上に相手が川崎F対策を立ててくるだろう。マンマーク気味にハメに来るチームに対してどう上回っていくか。ベタ引きして自陣に砦を築き1ポイント勝負に出てくる相手のゴールをどうやって攻略するか。川崎F包囲網をいかに突破するかが、連覇のカギだ。

 その中では当然ながら、相手を圧倒するために、試合の中で形を修正することもあり得るだろう。J1連覇だけではなく、アジア制覇も念頭に置けば、なおさら時に応じた変化が必要になる。こだわるのは勝利であって、形ではない。2月中旬まで続くキャンプでは、見極め、選択し、積み上げを図ることになる。開幕戦まで、あと25日。昨季、史上最強と謳われた王者は、国内でもアジアでも頂点に立つ『史上最高』を目指して、準備を進めていく。


This article is a sponsored article by
''.