浦和レッズから横浜FCに移籍した岩武克弥。さらなる出場機会を求めて飛び出した。落ち着き払った口調で自らのプレーを分析して、足りないものを補う意欲を示した。マギーニョと競う右サイドバックはホットゾーンになりそうだ。

上写真=チームにもすんなり溶け込めた。岩武克弥は右サイドから激しく仕掛けていく(写真◎YOKOHAMA FC)

「競争に勝っていかなければ」

「必要とされているところに行くのがいい」
「試合に出ないと伸びていかない」
「(出場機会がないと)大学の頃よりも体もプレーも落ちていく」
「熱心に声をかけてくださった」

 そんな思いから、岩武克弥は浦和レッズを飛び出して横浜FCに新天地を求めた。

 浦和では2019年の3試合から、20年に11試合と出場数は伸ばした。でももちろん、物足りなかった。「自分の実力不足でもあって、コンスタントにではなくちょこちょこと出た感じでした」と潔く認める勇気。「試合に出たときに勝ち切ることができませんでした。チームが勝つのが一番ですから、勝たせられなかったと思います」と分析する。その分は横浜FCで駆け回るつもりだ。

 和歌山での1次キャンプに続き、宮崎で2次キャンプに入っている。

「ベテラン選手がいる中で、どんな雰囲気かなと思って入ったんですけど、皆さん優しいです。アドバイスをいただいて、さすがプロフェッショナルだな、長くプレーしているのは納得だなと感じています。気にかけて声をかけてくれる選手が多くて、すんなり入れてみんなと打ち解けられているかなと思っています」

 チームメートになった袴田裕太郎は明治大の同期で、瀬古樹は一つ下。縁がある。「最初に溶け込めますから、まずはそこから入っていきました」と懐かしい顔との再会を喜んだ。下平隆宏監督が和歌山キャンプのテーマの一つに掲げた「新戦力がチームになじむこと」は、無事に達成できたようだ。

 横浜FCでは昨季、マギーニョが右サイドバックの主力だった。岩武はまずはこのブラジル人に勝負を挑むことになる。

「どのチームに入っても競争だと思うので、負けない気持ちでしっかりと試合に出るのが目標です。去年はあまり出ていないので、コンスタントに出ることは果たさなければいけないですから、競争に勝っていかなければいけないと思っています」

 そのための強みが運動量。

「上下動や1対1は負けたくないところです。しっかりやれていると思うので、そこで最後の質を高めて、ボール回しの部分で関わりながら、アシストだったり最後の守りきるところを積み上げていければと思っています」

「サイドバックのポジショニングが決まっていて、いままでと違ったポジションだったり回し方だったりするのですが、最初よりは徐々に良くなっています」

 下平監督のスタイルにもしっかりとフィットし始めた手応えを明かした。その極意を体得したとき、「勝たせる男」になっているはずだ。


This article is a sponsored article by
''.