アビスパ福岡は昨季ゴールを守ったセランテスがチームを去り、正守護神争いが加熱している。セレッソ大阪から期限付き移籍で加わった永石拓海も候補の一人。学生時代に過ごした福岡の地で熱く戦うことを誓う。

上写真=歯切れよく言葉を紡いでいく永石拓海。長身とリーダーシップでチームの力になる(写真◎スクリーンショット)

「誰にでもチャンスはあると思います」

 アビスパ福岡がGK永石拓海をセレッソ大阪から期限付き移籍で獲得したのは、もちろん正守護神としての期待をかけているからだ。

 福岡のGK事情をおさらいしておくと、昨季26試合に出場してJ1昇格に貢献したセランテスが契約満了でクラブを離れた。昨季の出場履歴では順に、村上昌謙が14試合1260分、杉山力裕が2試合103分、山ノ井拓己が1試合77分と続き、そこに永石が加わった。正GKなきあとのポジション争いが加速していく。

「誰にでもチャンスはあると思います。移籍してきたからといって試合に出られる保証はありません。自分に良さはありますし、他のチームメートの良さもある。いいところを吸収して高め合っていきたい」

 4人体制のGKが結びつきの強いグループとなって、ともに成長していく意欲を口にした。その「自分の良さ」については、こんな風に表現している。

「自分はチームにとって、声掛けであったり気持ちの面でサポートできると思います。毎日の練習でも出していますし、メンバーに入る入らないは監督が決めることですが、いつでもチームのためにできることはありますし、しっかりやっていればいつかチャンスが巡ってくると思っています」

 リーダーシップに自信あり。加えて、4人の中で最も長身だということも武器になるだろう。村上と山ノ井が185センチ、杉山が184センチであるのに対して、永石は191センチだ。福岡のGKに求められることとして「失点しないこともそうですし、ビルドアップの場面では短くつなぐというよりも前にシンプルに入れて後ろでのミスをなくすこと、それからチームを救うセービングやクロスへの対応も大事になってきます」と挙げている。191センチのサイズを生かしてそのすべてで貢献していくつもりだ。

 その実現のために重要視することは、コンディション。

「キャンプ中の練習試合やトレーニングで自分の良さを出せばチャンスは巡ってくると思うので、良さを出すことが一番です。そして、開幕まで1カ月弱の中でなるべく早く自分のフィットしたコンディショニングを頭に置きながら、ケガをしないようにコントロールしながらやっていきたい」

 昨年5月には、全治4カ月となる右脛骨疲労骨折のために手術を受けた。完治してからC大阪U-23の一員としてJ3で5試合に出場できたが、ケガでシーズンを通してプレーできなかった悔恨は残る。それを払拭するためにも、新しい舞台を選んだ。

「J1でやりたい気持ちが強かったですし、大きなチャンスがあると思って選びました。福岡は大学で4年間いた土地なので馴染みある舞台ですし、移籍にはまったく迷いませんでした。少しでもチャンスが多いところがあればチャレンジしようと思っていました」

 福岡大で過ごした4年間の思い出に、さらに素晴らしい毎日を付け加えるために。

 移籍が発表されたときには、クラブを通してサポーターに「博多の男らしく、どんなときも熱い気持ちで戦います」と誓った。ピッチの上でそれを証明するはずだ。


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