FC東京が2009年以来、11年ぶりにルヴァンカップ優勝を果たした。キャプテンの東慶悟はケガに苦しんだシーズンの最後に訪れた歓喜を噛みしめていた。自身にとってはこれが初タイトル。喜びもひとしおだった。

上写真=優勝決定の瞬間、東慶悟は森重真人に抱きついた!(写真◎小山真司)

勝って終われるのが本当にうれしい

「優勝か準優勝かは大きな差がある」。ルヴァンカップ決勝前日に行なわれた公式会見の場で、東は言った。昨季のJ1最終節で横浜FMとの直接対決に敗れ、目の前で優勝されることになった悔しさを今でも忘れないという。だからこそ『絶対に優勝したい』と話していた。

 その強い思いが、現実になった。

「気持ち的には、試合が終わった瞬間は本当に優勝したと、感情が出てしまいました。今は少し時間が経って、知り合いの方にLINEをいただいて実感しているというか、優勝したんだなと。昨シーズン、リーグ2位で終わってしまった中、今シーズンはこうやって勝って終われるのは、本当にうれしく思います」

 プロ12年目。自身にとっては初めて経験する優勝だった。表彰式では笑顔がはじけたが、試合後の会見時には、発する声が時折、震えていた。

「今季はケガをして、最初はこの決勝に出られないと思っていた中でまさかのイレギュラーなことで、この舞台に立てました。優勝しなかったらキャプテンが持っていないと言われると僕は思っていたので、それがなんとか全員の力でチャンピオンになって、本当にうれしく思います。また多くのサポーターが声援が送れない中で後押ししてくれて、本当に感謝しています」

 2020年シーズン東にとっては、苦しい1年だった。7月に右第五中足骨骨折し、約4カ月間、ピッチを離れることになったからだ。タイトなスケジュールを総力戦で戦うチームを外から見つめることしかできず、もどかしさを感じていた。復帰したのは、11月18日のベガルタ仙台戦。ルヴァンカップ決勝が予定通り11月7日に開催されていたら、間に合わなかった。

「数多くの方に支えられてプレーできている。そのことはケガをしなかったら分からなかった。支えてくれているすべての方に感謝したい」

 クラブにとっては11年ぶりのルヴァンカップ優勝。自身にとっては初タイトル。その意味について、キャプテンは言った。

「これが東京にとってスタート。やっぱり優勝するとまたしたいし、優勝の瞬間は忘れられないものなので、またすぐにでもタイトルを取りたい気持ちです!」

 この優勝からFC東京の、そして東慶悟の、新しい歴史が始まる。


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