明治安田生命J1リーグの最終節が迫ってきた。コロナ禍で苦しんだシーズンを締めくくるべく、各チームとも勝利を目指すが、横浜FCは横浜F・マリノスとの横浜ダービー。15位を死守すべく、下平隆宏監督はチームを鼓舞する。

上写真=カズのベンチ入りも明言した下平隆宏監督。今季最終戦を勝って終わりたい(写真◎スクリーンショット)

「最低限のミッションをクリアしたい」

 シーズンのラストを飾るのは、横浜F・マリノスとの横浜ダービー。横浜FCの下平隆宏監督にとっては「気持ちよく」がキーワードになりそうだ。

 まずは、ベルギーリーグ2部のロンメルSKに移籍する斉藤光毅にとって、日本でのラストゲーム。指揮官として気持ちよく送り出すつもりだ。

「これがいったん日本では最後になるので、向こうに行く前に気持ち良くプレーして、いい結果を出していってもらうのがベストですね。もちろん、結果はどうなるか分からないけれど、悔いなく力を出してほしいと思います。本当にはつらつとしているし、サッカーが大好きで、それが伝わってきますから、その気持ちを出して楽しんでやってくれればと思っています」

 11月11日に移籍を発表しておよそ1カ月、下平監督も斉藤の姿勢に変化を感じているという。「もっと結果にこだわりたいというのは、顔からも行動からも出ていますね」と目を細める。もし仮に、カズと斉藤が同じピッチに立って、PKを獲得したらどちらが蹴るか、という報道陣からの問いかけには「それはカズさんです」と笑わせたのだが。

 もう一つは「最低限のミッション」という15位を確保して、気持ちよくシーズンを終えること。今季は10位進出を公言してきたが、「背伸びした目標」だったという。

「10位以内の目標を設定してきて、J1残留だけの目標にしたくなかったので背伸びした順位にしました。やはり難しくて届かなかったという印象ですが、降格のないシーズンではあっても残留圏内で終われるか。最後は最低限のミッションをクリアしたいと思っています」

 16位であればJ1・J2入れ替え戦があったので、確実な残留圏内は15位だ。現在は勝ち点30でちょうど15位で、14位のサガン鳥栖がすでに勝ち点35を手にしているので、順位を上げることはできない。一方で、16位のベガルタ仙台は27で、もし横浜FCが敗れて仙台が勝てば勝ち点で並ばれる。しかも、得失点差は横浜FCが-24で仙台が-25。総得点も35と36で拮抗しているだけに、引き分け以上で15位を確保したいところだ。

「最終戦ですし、ホームでできるので今季の集大成になります。自分たちのスタイルを押し出しつつ、最後の試合なのでメンタル的なところが左右すると思います。こういう時期ですから契約のこととか周りがザワザワする中で、しっかりメンタルを保ってチームのために献身的にできるかも重要です」

 それでも、自分たちのスタイルという点では手応えもある。

「ビルドアップのところを大事にしてきて、いまのチームの特徴、スタイルになりつつありますが、そこは自信を持ってやれてきているな、と感じています。うまくいかないときもありますが、選手の自信は深まっているし、ボールを持つこと、主導権を持つことに自信を持ち始めている印象があります。そういう意味では手応えはありますが、それが勝ち点につながるかは課題なので、手応えと課題が明確に出た1年だと思います」

 そんなシーズンの集大成となる横浜ダービーへ。気持ちよく戦おう。


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