サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」で、メディア横断企画「DAZN Jリーグ推進委員会 月間表彰」を実施している。当サイトでは、明治安田生命J1リーグにおいて、最も優れたゴールを表彰する「月間ベストゴール」受賞者へのインタビューを掲載する。11月は、湘南ベルマーレのMF齊藤未月のゴールが選ばれた。

上写真=11月のベストゴールを受賞した湘南ベルマーレのMF齊藤未月(写真◎Getty Images)

2020年11月 明治安田生命J1リーグ月間ベストゴール
齊藤未月(湘南ベルマーレ)

 11月15日の第27節、ヴィッセル神戸戦の84分だった。ハーフウェーライン付近でビルドアップしていた神戸DF酒井高徳にパスが出た瞬間、齊藤が猛然とダッシュしてプレッシャーをかける。そのまま体を寄せて奪ったボールが目の前にこぼれた次の瞬間、右足を一閃。50メートルはあろうかという超ロングシュートが、エリア外から懸命に戻ってジャンプした神戸GK飯倉大樹の右手の先を抜け、ゴールに吸い込まれた。

 このゴールで2-0とした湘南は、シーズン初の3連勝。なかなか結果が出ない苦境を乗り越えて調子を上げてきた時期に、アカデミー出身の生え抜きMFが鮮やかなゴールでチームを勢いづけた。今回の受賞者インタビューでは、シュートを打つまでの心境やゴール後の周囲の反応、自分自身のプレーの変化などについて語ってくれた――。

決まったかどうか分からなかった

――シュートの直前、神戸の酒井高徳選手にパスが出た瞬間に、ダッシュでアプローチしました。ボールを取れる、というイメージがあったのではないですか。

齊藤 そうですね。酒井選手が内側にトラップしたので、パスコースは少なかったと思います。足を出せばボールを取れる可能性が高いと思ったので、左足を出しました。

――ボールを奪ってからシュートを打つまでに、どんな判断があったのですか。

齊藤 奪って、ゴールを見たときに、ゴールキーパーの位置が左に(齊藤選手から見て右に)ずれていて、しかも前に出ていたので、打てばチャンスがあると思ったんです。中央など、周りは見ていません。奪って、ゴールを見て、ゴールキーパーの位置を確認して打ちました。

――かなりゴールまで距離があったので、見ている側としては『そこから打つのか!』という驚きのシュートでした。

齊藤 なぜかは分かりませんが、感覚的に『打ったら入る』と思いました。しっかりミートすることは少し意識しましたが、あまり考えず、本当に打ったら入る、という感じで。そういうときは入るんですよ(笑)。

――シュートを打った後、その場を動かずに軌道を見ていました。ゴールが決まったと確信したのは、いつでしたか。

齊藤 ボールが飛んでいるときもそうだし、ゴールが遠かったので、決まったかどうかも分からなかったんです。でもゴール裏で見ていた湘南のサポーターの皆さんが喜んで、ウチの選手も駆け寄ってきたので『あ、入った』と分かりました(笑)。

――アマチュア時代も含めて、あのようなロングシュートを決めた経験はありますか。

齊藤 同じくらいの距離から打って、クロスバーに当たったことはあります。ユースでプレーしていた高校時代だったかな。決めたのは初めてです。

――神戸の飯倉大樹選手はビルドアップの際、ゴールから離れたポジションを取ることもあります。狙いどころの一つとして、事前に意識していたのですか。

齊藤 ゴールキーパーが前に出ているからシュートを狙え、といったことをミーティングで言われたわけではないです。ただ飯倉選手は横浜F・マリノスでプレーしていたときから、ビルドアップに参加するので、高い位置でプレーするし、そうせざるを得ないとも言えます。この試合中に確認はしていませんが、それは頭の中に入っていました。


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