明治安田生命J1リーグで3度目の優勝を果たした川崎フロンターレで、若手を引っ張る脇坂泰斗。レギュラーとしてたどり着いた頂点への道のりで手に入れたのは「脳内の整理法」だった。新しい二つの目標に向かって残り試合に集中している。

上写真=脇坂泰斗が堂々とシャーレを掲げる。はにかんだ笑顔に喜びが表れた(写真◎J.LEAGUE)

残りの試合にぶつけたい

 レギュラーとして勝ち取った日本一の座だ。脇坂泰斗は優勝の決まった第29節ガンバ大阪戦までの30試合で27試合に出場して3得点5アシスト。主力として堂々たる存在感を示して、チャンピオンの椅子に座った。

「リーグが再開するときにオニさん(鬼木達監督)からも、チーム全員でまとまって、サッカーを見られずに辛い思いをしているサポーターの皆さんに元気を届けるために優勝しよう、という言葉があって、等々力で最後に皆さんと喜び合えて本当に良かったなと思います」

 その前のアウェーの大分トリニータ戦で優勝のチャンスがあったものの、0-1の敗戦で持ち越しとなって、ホームに帰ってきて優勝決定。「等々力劇場」のエピソードがまた一つ加わった。

 脇坂にとっては、2020年は「マイナス20」のシーズンだった。背番号が昨季の28から8へと出世。クラブの大いなる期待を背負うことになったが、しっかりと応えて、新しい背番号にふさわしい活躍を見せた。

「まだ残り4試合と天皇杯があるので振り返ることはしたくない」と前置きして、清水エスパルス、サガン鳥栖、浦和レッズ、柏レイソルと続くここからのリーグ戦と天皇杯に向けて新たな目標を設定している。

「背番号が変わって今年は昨年よりもっと試合に出て活躍するぞと意気込んだので、まだまだ足りない気持ちがあります。それを残りの試合にぶつけたいと思います」

「チームで言うと勝ち点と得点をもっともっと積み重ねて、自分たちしか超えられないような記録を作ること。そして、今季の目標である複数タイトル獲得のために、個人的には得点とアシストにこだわってやっていきたいです」

 数字へのフォーカスだ。はっきり口にする覚悟で自らのハートに火をつけた。

 今年の超連戦は本当にハードだったが、だからこそ手に入れたものがある。

「試合を振り返りすぎてもすぐ次の試合が来るので、頭をクリアにすることを学んで徐々に慣れていきました。振り返るより、次に向かうというアドバイスをもらって、振り返りすぎず次へ向かおうとしてから、頭が切り替わるようになりました」

 先輩たちから学んだという切り替えの妙。だからもう、優勝の喜びから切り替え完了だ。背番号8は心と体と頭をリフレッシュするテクニックを駆使して、さらに輝いていく。


This article is a sponsored article by
''.