明治安田生命J1リーグで3度目の優勝を果たした川崎フロンターレ。4試合を残して史上最速の達成となったが、次なる目標は中村憲剛の最後のタイトルになる天皇杯の優勝と、来年のAFCチャンピオンズリーグ制覇である。

上写真=守田英正にとっては、副キャプテンとしてチームの主軸になって手にした優勝だった(写真◎J.LEAGUE)

「そのタイトルは一番欠かせないもの」

 圧倒的な優勝を達成してからおよそ1週間。リーグ制覇の興奮も落ち着いたいま、守田英正の視線は未来を向いている。いや、優勝を決めたその直後からだったのだと、守田は明かした。

「優勝してすぐに、天皇杯のことがまっさきに頭をよぎったんです」

 優勝を決めた試合で暫定2位のガンバ大阪を5-0で圧倒し、「気持ちのこもったプレーを見ていて感じてもらえたと思いますし、川崎らしさが存分に詰まった試合を見せて優勝できてうれしかった」と感じたのは確かだ。ただそのそばから、サポーターににこやかに手を振りながら、チームメートとこの日の試合の反省点を話し合っていたというのだ。

「わざわざ気持ちを作って一喜一憂しない、ということではなくて、自然体でそういう感じになっていて、最初の方はもちろん浮き沈みはそれぞれあったと思いますけど、後半戦に入るころにはもうみんなが自然に共有できていたので良かったと思います」

 喜びすぎず、の姿勢は優勝しても変わらなかったというわけだ。超越している。

 リーグ戦の残りは4試合。大切に戦わなければいけない。新チャンピオンが無様な姿を見せるわけにはいかないのだ。

「優勝はしましたけど、(最多勝ち点の上積みなど)数字にもこだわっていきたいと思います。そこにチャレンジできるのは、僕たちがいままで積み重ねてきたからですから」

 数字についていえば、優勝したことでもあるし、個人の目標も大きな声で言っていいだろう。

「ゴールですね。そこはもうサポーターの方も待ってくれていると思いますけど、僕自身が狙っている気持ちは誰よりも強いですからね」

 プロ入り3年目、リーグ戦77試合に出場して、いまだノーゴールだ。残り4試合、360分の中で念願のゴールがぜひとも見てみたい。

 そして天皇杯で勝って、引退を決めている中村憲剛と最後に喜び合いたい。

「天皇杯がありますから、そこに100パーセントに持っていけるように、リーグ戦で出た課題を改善しながら、もう1回引き締めて向かっていければと思っています」

「天皇杯も控えているし、リーグ戦でしっかり弾みをつけて天皇杯で勝って笑えるように、1カ月頑張りたいと思います」

 そして、もう一つ。いま、FC東京、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸が日本を代表してAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を戦っている。川崎Fと守田も来年再び、その舞台でアジア王者を目指して戦うことになる。

「3チームにはもちろん刺激を受けていますし、今年僕たちにACLがない歯がゆさはあります。だからこそJに集中して絶対に取ろうという思いがあったのも確かなんですけど、そのタイトルは一番欠かせないものです。ここから先、川崎フロンターレというクラブがビッグクラブと言われるものになるには必要不可欠であって目を背けられない大会です」

 そのためにさらに進化して、この圧倒的で驚異的で魅惑的な攻撃サッカーで、日本だけではなくアジアを席巻してもらいたい。


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