FC東京は30日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第5節、蔚山現代戦に臨んだ。開始2分に永井謙佑が先制したものの、前半終了間際に追いつかれ、試合終了直前に逆転弾を浴びて敗戦。この結果、蔚山の首位通過が決定し、FC東京は勝ち点を積むことができなかった。

上写真=永井謙佑の先制ゴールでリードを奪ったFC東京だったが、蔚山に逆転負けを喫した(写真◎Getty Images)

■2020年11月30日 ACL第5節
(リモートマッチ/@カタール・エデュケーションシティ・スタジアム)
FC東京 1-2 蔚山現代
得点:(F)永井謙佑
   (蔚)ユン・ビッガラム2

・FC東京メンバー:GK波多野豪、DF中村帆高(84分:中村拓海)、渡辺剛、ジョアン・オマリ、小川諒也(89分:原大智)、DF森重真人、MF三田啓貴(46分:東慶悟)、安部柊斗、内田宅哉(63分:高萩洋次郎)、レアンドロ、FW永井謙佑(63分:アダイウトン)

・蔚山現代メンバー:GKチョ・スヒョク、DFソル・ヨンウ、キム・ギフィ、ダビー・ブルトハイス、MFパク・チュホ(70分:キム・テファン)、シン・ジノ(83分:ウォン・ドゥジェ)、ユン・ビッガラム、イ・チョンヨン(70分:ビヨルン・ヨハンセン)、イ・サンホン(37分:コ・ミョンジン)、キム・インソン(83分:イ・グノ)、FWジュニオール・ネグラン

チャンスがある限り、最善を尽くす

 開始2分。FC東京がいきなりスコアを動かした。相手のクリアミスを右サイドで三田が拾うと、ボックス手前に構えていた永井につなぐ。相手の寄せが甘いと見るや、永井は右足を素早く振り抜いた。

 コースをしっかり狙ったシュート。相手GKチョ・スヒョクが懸命に伸ばした手の先へ逃げるようにボールはゴール左隅へ進み、ポストの内側に当たってゴール内に転がった。戦前から長谷川健太監督が勝負のポイントとしていた先制点を早速、手に入れる。試合の入りからどこか集中力を欠く相手に対し、FC東京はアグレッシブなプレーを見せ、見事に先手を取った。

 その後、点を取るために前に出てきた相手に対してFC東京はボール奪取からカウンターを狙っていく。しかし、フィニッシュゾーンで最後のひと山を越えられず、攻撃はことごとく跳ね返された。そして、前半終了間際の44分、蔚山の10番にゴールを奪われてしまった。カウンターで前に出たところでボールを失うと、ボックス手前でオマリがユン・ビッガラムを倒し、直接FKを与える。そしてそのユンに直接、決められてしまった。

 後半、FC東京の選手たちには次第に疲れが見え始め、自陣でプレーする時間も長くなる。それでも何とか耐えていたが、残り20分となると、相手は195センチの長身FWヨハンセンを投入し、ロングボールを交えて攻め込んできた。細かいパスワークとエアバトルの合わせ技に、さらに押される展開となる。その中でも79分にはカウンターを発動し、アダイウトン、レアンドロとつないで安部が裏に抜け出したが、オフサイドの判定。チャンスを逸し、ゴールを挙げられなかった。

 その直後、85分だった。またもユン・ビッガラムに決められてしまう。自陣左サイドからボックス内に進入されると、守備陣が混乱。誰も寄せられず、フリーで右足を振り抜かれると、ニアサイドを破られてしまった。

 試合後、長谷川健太監督はこう振り返った。

「前半の早い時間帯で先制できたが、その後受けに回る時間が増えてしまった。前半は何回か決定機があったので追加点を取れればという展開だったが、後半は押し込まれた。勝ち点3ということにこだわりながら戦い、残り10分でメンバーを代えて勝負をかけたが、逆に蔚山に決勝点を取られた。選手はよく頑張ってくれたと思う」

 幸先良く先制しながら、その後の試合運びで苦しんだ。2点目の重要性は、今季のJ1リーグでも何度も感じたことだった。ACLの舞台でもその重みを痛感することになった。

「非常に難しいと思うが、チャンスが残っている以上、最後までベストを尽くしていく」(長谷川監督)

 この試合の結果、蔚山の首位通過が決定。FC東京にも最終節まで決勝トーナメント進出の可能性は残るが、ここで勝ち点3を得るのと得ないのでは大きく違う。重要な一戦を落とした事実の重さは、指揮官のコメントからも明らかだった。


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