FC東京は27日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第4節、上海申花戦に臨んだ。相手の危険なファウルによってD・オリヴェイラが負傷交代するなど厳しい戦いとなったが、気持ちを前面に出して戦い、2-1で勝利。前節のリベンジを果たし、自力突破の可能性をつかんだ。

上写真=先制点をスコアしたレアンドロ(写真◎F.C.TOKYO)

■2020年11月27日 ACL第4節
(リモートマッチ/@カタール・エデュケーションシティ・スタジアム)
上海申花 1-2 FC東京
得点:(上)ジオバンニ・モレーノ
   (F)レアンドロ、安部柊斗

・上海申花メンバー:GKリー・シュアイ、DFジャン・ルー(46分:ジュー・ユエ)、フォン・シャオティン、アイディ・フランシス、ウェン・ジャバオ、MFワン・ウェイ(71分:リウ・ルオファン)、スン・シーリン(71分:ジャン・シェンロン)、チン・ション(62分:ジオバンニ・モレーノ)、ユー・ハンチャオ、FWビー・ジンハオ(62分:キム・シヌク)、ポン・シンリー

・FC東京メンバー:GK波多野豪、DF中村拓海(78分:中村帆高)、渡辺剛、ジョアン・オマリ、小川諒也、DF森重真人、MF東慶悟(78分:高萩洋次郎)、安部柊斗、FWディエゴ・オリヴェイラ(50分:原大智)、永井謙佑(46分:アダイウトン→89分:田川亨介)、レアンドロ

レアンドロがよく決めてくれた(長谷川監督)

 試合開始直後からFC東京は得点への強い意欲を示した。ベクトルは前向きで、鋭い出足から相手ゴールへと迫る。3分にはD・オリヴェイラが自陣から長い距離をドリブルで持ち上がり、ボックス内に進入。横パスを受けた永井がフリーでシュートを放ったが、スライディングで飛び込んできた相手DFに当たり、ネットを揺らすことができなかった。

 その後も19分、26分、37分とレアンドロが惜しいシュートを放つが、決められず。41分には東のスルーパスに抜け出した永井がGKと1対1となりシュートを打ったが、相手GKリー・シュアイの左足に当たり、これまたゴールできずに終わった。

 3日前に対戦した際と同様にマンツーマンで守る相手に対して、FC東京は攻め筋を選手間でしっかり共有していた。D・オリヴェイラやレアンドロがボールを持てばしっかりマーカーを外して数的優位を生み出す。また、攻撃にかかった際に、各選手が相手のマーカーがそのまま付くのか放すのか迷うポジショニングとランニングも効いていた。

 後半、FC東京は永井に代えてアダイウトンを投入。攻撃のギアを入れ直したが、開始直後にアクシデントが起きる。右サイドをドリブルで進むD・オリヴェイラがチン・ションの危険なタックルで倒され、右足を負傷。立ちあがることができず、そのまま交代することになってしまったのだ。

 それまで独力で局面を動かしていたD・オリヴェイラの負傷交代はチームにとって大きなマイナスに違いなかった。ただそれでもチームは勢いを失うことなく、一丸となって攻めに出る。58分にはアダイウトンがクロスバー直撃のシュートを放ち、あわやの場面を作った。

 前半から何度も悔しい表情ばかりを見せていたFC東京の選手たちが笑顔になったのは61分のことだ。ついに、待望のゴールが生まれたのだ。

 安部が自陣から送った縦パスをボックス手前でアダイウトンが収めてはたくと、受けた東がボックス内へパスを入れる。そこに走り込んだレアンドロが右足で冷静にコースを狙ってシュート。ボールはゴール右のサイドネットを揺らした。

 欲しかった先制点を手にしたFC東京はその後、次々と選手を投入し、長身FWモレーノ(193㎝)、キム・シヌク(198㎝)にボールを集める相手の勢いにやや劣勢になった。だが、守備陣が高い集中力でゴールを許さず、チーム全体としてのベクトルは常に前に向け続けた。そして82分、その姿勢が再び実を結ぶ。アダイウトンのシュートのこぼれ球にいち早く反応した原がボックス左から折り返し、飛び込んだ安部がジャンプしながらプッシュ。相手よりも先に判断して動くプレーの連続によって、2点目が生まれた。

 その直後にモレーノに1点を返されることになったものの、相手のラフプレーや日本とは明らかに違うジャッジ基準に苦しみながら、FC東京は勝利への意欲を失わずに勝ち点3をつかみ取った。長谷川健太監督も激闘を制した選手たちの姿勢とプレーを称賛した。

「非常に難しい試合でした。チャンスがありつつ、いろんなプレッシャーからなかなかゴールを決められないという状況の中で、レアンドロがよく先制点を決めてくれた。そのあと、上海の外国籍選手が出てきてパワープレーで、非常にフィジカルを生かしたプレーを展開してきましたが、よくディフェンスラインが相手の反撃を1点に抑えてしのいでくれた。これでまた自力でグループステージ突破という可能性が出てきたので、残り2戦、全力で頑張っていきたい」

 戦前、指揮官は「勝って状況を変える」と話していたが、まさに有言実行の勝利になった。3日前にPKによる失点で惜敗した相手に見事リベンジを果たし、勝ち点1差で順位も逆転。FC東京はグループFの2位に浮上し、自力で決勝トーナメントに進出できる状況を取り戻した。

■グループF順位表(4節終了時点)
1 蔚山現代(勝ち点10/3勝1分け/得失点5)
2 FC東京 (勝ち点7/2勝1分け1敗/得失点1)
3 上海申花(勝ち点6/2勝2敗/得失点-1)
4 パース・グローリー(勝ち点0/4敗/得失点-5)


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