明治安田生命J1リーグ第29節でついに川崎フロンターレが優勝を決めた。暫定2位のガンバ大阪との直接対決で5-0で勝利を収めてついに頂点に。これで川崎Fは2017年、18年に続く3度目のJ1リーグ制覇を果たし、天皇杯の出場権も獲得した。

上写真=3度目のリーグ優勝。攻撃の信念を貫いた圧倒的な優勝だった(写真◎J.LEAGUE)

■2020年11月25日 J1リーグ第29節(@等々力:観衆11,360人)
川崎F 5-0 G大阪
得点者:(川)レアンドロ・ダミアン、家長昭博3、齋藤学

画像: ■2020年11月25日 J1リーグ第29節(@等々力:観衆11,360人) 川崎F 5-0 G大阪 得点者:(川)レアンドロ・ダミアン、家長昭博3、齋藤学

家長昭博が象徴的ハットトリック!

 伝説のチームの誕生だ。引き分け以上で優勝の決まるガンバ大阪との「等々力決戦」で、川崎フロンターレが攻めに攻めて5-0と圧巻の勝利。堂々と2020年J1リーグを制した。

 最後の最後に少しだけ足踏みしたものの、この30試合までに積み上げた勝ち点は実に75。得点も79を奪って得失点差は実に「+54」と規格外だった。超攻撃サッカーが結実し、歴史に残る圧倒的な優勝になった。

 11月21日の大分トリニータ戦では勝てば優勝という条件だったが0-1で敗れ、翌22日にガンバ大阪が浦和レッズに引き分け以下でも優勝が決まったが、G大阪は2-1で意地の逆転勝利。この日の直接対決では川崎Fが引き分け以上で優勝が決まるという、有利な条件でキックオフを迎えた。

 まさしくこの1年を象徴するように攻撃的な意志を貫いたゲームになった。ワンタッチのパスワークあり、ドリブル突破あり、ロングパスあり、ハイプレスからのショートカウンターあり。そしてまずは、22分だ。

 右から短いパスをつないで左サイドへ、受けた登里享平が次の瞬間、中央へ高速クロスを送ると、ダッシュでDFの背後を取っていたレアンドロ・ダミアンが右足を伸ばしでゴールに押し込んだ。これがゴールラッシュの幕開けだった。

 前半終了間際の45分に田中碧の右CKから中央でレアンドロ・ダミアンがヘッドしたボールを家長昭博が蹴り込んで2-0。さらに後半が始まってすぐの49分には中盤の厳しい守備から奪ってカウンター、三笘薫がドリブルで突き進んで右へラストパス、家長が落ち着いてゴール左に流し込んで3点目を奪った。

 まだまだ足りない。73分には登里享平、レアンドロ・ダミアン、三笘と左サイドで縦につないだカウンターから、三笘がゴールへ向かって持ち出し右へ、最後は家長が蹴り込んで3点目と同じような形で4-0とすると、90分には旗手怜央のシュートをGK東口順昭がはじいたところを齋藤学がプッシュして、交代で入ったばかりのコンビでついに5-0で締めた。

 鬼木達監督は「スタートから終わりまで90分、自分たちらしい戦いをしてくれて選手に感謝しています。誇りに思っています」と感慨深い様子でこの日の勝利を、そして優勝を語った。「前節敗れて悔しい思いをしましたけど、こういう大勢の人の前で優勝できてうれしくて仕方ないです」と最高の笑顔。「シーズンのスタートから優勝を意識してやろうと話しているので、そういうプレッシャーがある中でずっとやってくれて、今日そういう思いが出ました。選手一丸となって目標に向かって進めた1年だと思っています」と優勝の味を噛み締めた。

 連覇のあとに優勝を逃した昨季の反省を踏まえて、鬼木監督は4-3-3システムへの移行にトライ。第2節の鹿島アントラーズ戦から10連勝で、延長戦を除く単一シーズンの連勝記録を更新すると、さらにそれを第13節の清水エスパルス戦からの12連勝で更新する離れ業を演じて首位を独走した。攻撃からチームを作っていく鬼木達監督の揺るぎないポリシーが新システムを機能させ、主力が実力を存分に発揮し、誰が出ても活躍できるだけの個のレベルの高さを維持し、ルーキーが躍動して軽やかにトップでゴールテープを切った。

 これで2017年の初優勝、18年の連覇に続き、3度目の王者となった。4試合を残しての優勝決定は史上最速で、現行の18チームとなった05年以降、最多となる勝ち点75を稼いだ。これで2位以上に与えられる今年度の第100回天皇杯の出場権も獲得して12月27日の準決勝から登場し、次の目標である複数タイトルの獲得を目指す。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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