J1のヴィッセル神戸は17日、オンラインにて取材対応を行なった。FWの田中順也は、チームに勝利がない状況について、キャリアの重ねた経験のある選手としての自覚と、ここから果たすべき役割を口にした。

上写真=チームが良くなるためにもっとコミュニケーションが必要だと田中順也は語った(写真◎VISSEL KOBE)

自分が間違っていたら声を出してくれ

 ヴィッセル神戸に加入して以降、田中順也の出場試合数は今季が一番少なくなっている。8月には負傷で戦列を離れたが、その理由は過度のシュート練習がたたったものだと、自身で明かしている。10月には、「焦り、苛立ち。そういうタイプの人間なので、自分を使ってくれという思いが強すぎてケガに至ったと思う」と話していた。

 その熱いアタッカーの表情が冴えない。「原因がこれだというのを見つけられたら、すごく簡単。その時々に失点の原因をチームで分析し、誰がもっとこうするべきだったとか、チームとしてどうするべきだったのかというのをもっと議論しなければ改善はされないと思っている」。クリーンシートを飾れず、勝利からも遠ざかっている現状に、もどかしそうに口にした。

 個々では自分なりに力を尽くしているはずだが、それがかみ合わない現状が、田中のみならずチーム全員の歯がゆい思いにつながっている。田中はコミュニケーションを重視し、「出ている選手がもっと声を出すことが大事だと思う」と訴えた。

 18日の浦和レッズ戦を終えれば、その先にはACLが控える。短期決戦において、意思統一の重要度はさらに増していく。そのため、選手同士の話し合いの場も、ベテランとして率先してつくっていくつもりだ。

「(選手同士の話し合いは)すごく必要だと思っているので、もっと頻度を増やしていかないといけないと思う。ACLに行くとホテルで過ごす時間が長くなるので、皆でちゃんと話し合って本大会に臨んだ方がいいと思っている。ベテランで共有しながら、そういう機会をつくって臨んでいきたいと思う」

 調子が上がらないチームにおいても、田中は先発であれ交代出場であれ、力を尽くしてきた。そのリスタートの第一歩は、10月10日のJ1第21節。復帰戦で交代出場した田中は、古巣の柏レイソル相手に32分間のプレーで2ゴールを叩き込んでいる。

「年齢的にベテランになってくるが、もし自分のプレーが間違っていたら、声を出してくれと後ろの人たちに要求しているし、守備が少しでもプレスが弱かったり角度が間違っていたら、細かく指示を出してくれと言っている。年齢とか国籍とか関係なく、要求していかないといけないと思う」

 ベテランらしく、そしてベテランであろうと関係なく。田中はチームを引っ張っていく覚悟だ。

取材◎杉山 孝


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