上写真=監督交代から今季初の連勝! 清水に明るい兆しが見えた試合になった(写真◎J.LEAGUE)
■2020年11月14日 J1リーグ第27節(@アイスタ:観衆6,076人)
清水 3-1 C大阪
得点者:(清)ヘナト・アウグスト、中村慶太、カルリーニョス・ジュニオ
(C)清武弘嗣
攻撃と守備の明確化
J1でいま熱いのが2位争い。セレッソ大阪はこの試合が始まる前に暫定5位で、ライバルよりも残り試合数が多いために、優位な状況にはある。ただ、それも試合ごとに勝ち点を積み重ねればこそ。中10日と余裕を持って相まみえた清水エスパルスとの一戦ではしかし、1-3で敗れてしまうのだった。
C大阪のロティーナ監督は「説明するのが難しい試合だった」と振り返った。
前半は攻めあぐねた感覚。序盤こそ五分五分だったが、清水に小さなミスが目立つようになった15分頃からゴールに向かうプレーが増えた。好調の豊川雄太が左右のスペースに押し入りながら、主に清武弘嗣と丸橋祐介で組む左サイドで縦の深さと横の幅を使いながら攻めていった。しかし、14分の丸橋、19分の奥埜博亮、22分の豊川のシュートは決まらない。
C大阪の攻撃を止めてもそこから先のパスがつながらずに、清水は我慢の時間が続いた。守備では中を締めて失点しないで済んだものの、そこに力をかけた分、攻撃でパワー不足。25分のカウンターで絶好機を迎えたが、後藤優介のシュートは枠を外れてしまう。
C大阪優位の流れが、その色を変えたのは後半に入ってから。清水が後半から中村慶太と鈴木唯人を投入してリフレッシュ。すると49分には、ヘナト・アウグストがコンビネーションから中央を強引に突き進み、最後ははねたボールをオーバーヘッドで流し込み、先制したのだ。
ただ、C大阪も58分にブルーノ・メンデスと柿谷曜一朗を投入して最前線に置くことで、2人の特徴を生かしながらテクニカルな攻撃を組み立てていく。67分には坂元達裕の「伝家の宝刀」とも言うべきドリブルで左からカットインしてファーへクロス、これをポスト際に飛び込んだ清武がヘッドできっちりと押し込んで同点とした。
その後もビッグチャンスを作ったのだが、次のゴールが決まったのは清水の方。86分に中村がカルリーニョス・ジュニオを壁に使って中央から左へワンツーを仕掛け、左足でシュート、これがGKキム・ジンヒョンの伸ばした手の先を逃げるようにしてゴールに転がり込んだ。
C大阪は再度、同点弾を狙って人数をかけて攻めていくが、その裏を突かれて90+4分にカウンターを食らい、カルリーニョス・ジュニオに決められた。
清水は平岡宏章監督が就任して2試合連続で勝利で、連勝は今季初となる。「特効薬はないので、いままでやってきたことを継承しながら攻撃と守備のところの明確化を図りました。やることをはっきりさせたそれだけです」と言いながらも、ピンチの連続にも1失点に抑え、「守備のところは選手たちも手応えを感じていました」と評価した。
2位争いには痛い敗戦となったC大阪。ロティーナ監督は「試合を支配してチャンスを作ったけれど、相手の1点目、2点目が簡単に入ってしまった。いい試合はできていたけれど、決定力で相手が上回ったということ」と悔やんだ。
写真◎J.LEAGUE