11月8日、明治安田生命J1リーグ第28節の横浜FC対ヴィッセル神戸がニッパツ三ツ沢球技場で開催され、ホームの横浜FCが2-1の逆転勝利を飾った。また横浜FCのFWカズが9試合ぶりに出場し、自身の持つJ1最年長出場記録を53歳8カ月13日に更新した。

上写真=途中出場で勝利に貢献した瀬沼、安永、カズ(写真◎J.LEAGUE)

■2020年11月8日 J1リーグ第28節(@ニッパツ:観衆6,965人)
横浜FC 2-1 神戸
得点:(横)一美和成、安永玲央
   (神)郷家友太

・横浜FCメンバー◎GK六反勇治、DFマギーニョ、田代真一、伊野波雅彦(46分:袴田裕太郎)、志知孝明、MF中山克広(87分:三浦知良)、瀬古樹、手塚康平、齋藤功佑(73分:安永玲央)、FW一美和成(87分:瀬沼優司)、斉藤光毅(65分:レアンドロドミンゲス)

・神戸メンバー◎GK飯倉大樹、DF西大伍、山川哲史、渡部博文、酒井高徳、MF郷家友太、山口蛍、アンドレス・イニエスタ、小川慶治朗(73分:小田裕太郎)、FW藤本憲明(73分:田中順也)、佐々木大樹(79分:安井拓也)

「雰囲気は全然違った」(下平監督)

 3連敗中の横浜FCは53歳のカズが9試合ぶりにベンチ入り。神戸のイニエスタとの直接対決に注目が集まり、この日は試合前に全席種のチケットが完売した。

 先制したのはアウェーの神戸。前半9分に西と小川のコンビネーションで右サイドを突破し、小川からのクロスに走り込んだ郷家がゴールネットを揺らした。

 対する横浜FCも黙っておらず、試合再開のキックオフからそのまま同点弾を奪取。瀬古が相手ゴール前にパスを通し、神戸DF山川のクリアミスを拾った一美が冷静に流し込んだ。わずか2分間に2ゴールが生まれ、スコアは1-1となった。

 その後は一進一退の展開が続き、ドロー決着が濃厚となった87分にカズがピッチ脇に登場。スタジアムが大きく沸いた。「カズさんが入ることでスタジアムの雰囲気が変わって、流れをもってこれるのではないかと考えていた」と語ったのは横浜FCの下平隆宏監督。

 するとアディショナルタイムに入った90+1分、セットプレーの流れから押し込んだ横浜FCは瀬沼が粘ってボールを残し、パスを受けた安永がペナルティーエリア外から力強いシュート。これがゴールネットに突き刺さり、土壇場で逆転に成功した。

 トップチーム昇格2年目の安永はこれがプロ入り後初ゴール。「最初はクロスを上げようかなと思ったけど、ニアが空いていたのでシュートを選択した」と振り返り、ゴールが決まった瞬間は「鳥肌が立った」と初々しく語った。

 横浜FCがそのまま逃げ切り、連敗は3でストップ。今季最多の6965人が詰めかけたホームで4試合ぶりの勝利を飾った。下平監督は「最後は神戸のほうがチャンスも多かったが、選手たちは粘り強く戦ってくれた」とチームを労い、カズについては「メンバーに入ったことで雰囲気は全然違った。周りの選手はエネルギーをもらったのではないか」と影響力の大きさを称えた。

 敗れた神戸のイニエスタも「日本を象徴するような選手と同じピッチに立てたことは光栄。53歳になってもプレーできる秘訣を聞きたい。脱帽している」と試合後に話した。

取材◎多賀祐輔


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