北海道コンサドーレ札幌が首位・川崎フロンターレを破った3日の試合で、荒野拓馬とともに光ったのが、後半途中から登場したアンデルソン・ロペスの働きだ。重要なゴールとプレスで、チームを勝利に導いてみせた。

上写真=勝利を喜ぶアンデルソン・ロペス(左)とルーカス・フェルナンデス(写真◎J.LEAGUE)

■2020年11月3日 明治安田生命J1リーグ第26節(@等々力/観衆11,165人)
川崎F 0-2 札幌
得点:(札)アンデルソン・ロペス、荒野拓馬

交代出場の1分後に先制点!

 登場したのは、後半61分。その1分後に、アンデルソン・ロペスは首位チームのゴールネットを揺らした。荒野拓馬が田中碧に寄せてパスを出させ、駒井善成が受け手となった守田英正から奪う。そのボールを素早く拾った。

 そのままボックス内に進入し、右腕で相手CB谷口彰悟を押さえながら力強く進むと、左足を振って見事に先制ゴールを決めた。

「内容的には前半から良かったですし、僕自身も前線からプレスをかけようと思っていて、あの場面は駒井がボールを奪って、良いボールが来た。とにかくコントロールをしっかりして、そうすれば、あとは決めるだけだと思っていました。うまくいきましたね」

 この日の札幌の出来は素晴らしく、前半は前線の3人(荒野拓馬、駒井、チャナティップ)と高嶺朋樹、宮澤裕樹のドイスボランチが連動してプレスをかけてペースを握ることに成功した。その流れを後半も継続したいところだったが、ペトロヴィッチ監督は故障明けのチャナティップ、幅をもたらすミドルパスを右ウイングバックの金子拓郎に通していた高嶺を60分にスパッとベンチに下げる。どちらも消耗を考慮してのことだろうが、この二人を、ドウグラス・オリヴェイラ、アンデルソン・ロペスにそれぞれ交代させたことでモビリティーが失われ、川崎Fに有効だったプレスが機能しなくなることも考えられた。それだけに二人がハイテンポなサッカー中で効いていたからだ。

 だが、D・オリヴェイラも、A・ロペスも、違和感なく試合の流れに乗ってみせた。もちろんペトロヴィッチ監督が「スコアを動かすため」と試合後に起用の意図を説明したように、二人の投入はゴールを取りに行くためだったが、プレスの強度を極端に落とすこともなかった。

 チームが手にした2点目は、荒野とA・ロペスの囲い込みから生まれている。家長昭博からバックパスが出た瞬間、一気に距離を詰めて田中からボールを奪い取った。A・ロペスはピッチ中央でボールを運び、左のD・オリヴェイラに展開。左からのクロスに荒野が詰めて札幌が追加点を挙げた。

 機能不全に陥るどころか、プレスからゴールを奪った。見事な勝利にA・ロペスは自信に満ちた表情で語った。

「前から良い内容のサッカーをしていたんですけど、結果がついて来なかった。でも、ここ4試合はチームが良いサッカーができて、結果もついてきた。残り試合も、これを続けていきたい」

 チームファーストの考えを実践し、サボらずに走ってプレスにも積極的だったA・ロペス。この日の得点は今季6ゴール目だったが、残り7試合で、その数字はさらに伸びるに違いない。


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