名古屋グランパスが明治安田生命J1リーグで次に戦うのは鹿島アントラーズ。勝ち点45で並ぶ相手に勝つことで、暫定2位に浮上する可能性もある重要な一戦。丸山祐市は相手エースのエヴェラウドを止める準備ができている。

上写真=全試合フルタイム出場を続ける丸山祐市。エースを完封する覚悟だ(写真◎Getty Images)

「ミスが少ないほうが勝つ」

 いま、名古屋グランパスは未来を決める岐路に立っているかもしれない。

 J1で次に戦うのは鹿島アントラーズ。「2位を目指す」とマッシモ・フィッカデンティ監督が改めて宣言した名古屋にとっては、叩いておかなければならない相手だ。勝ち点は45と並んでいて、消化試合数はこちらが一つ少ないから、しっかりと勝ち点3を手にしておけばライバルを置き去りにして、「準優勝」の目標に一歩近づく。負ければ、難しさは一層増していく。その分かれ道だ。

「ホームでは負けているので、借りを返すために準備したいと思います」

 キャプテンの丸山祐市は最大限の警戒心を持って挑んでいく。

 前回対戦は9月5日の第14節のことで、豊田スタジアムで戦いながら1-3で敗れている。センターバックとしては3失点は悔しい。今度はもちろん、失点ゼロに抑えるつもりだ。

 守備については改善傾向にある。最近の試合を振り返ると、川崎フロンターレに0-3、横浜F・マリノスに1-2で今季初の連敗を複数失点で喫したあと、ベガルタ仙台には1-0と無失点で競り勝つことができた。

「フロンターレのときはボールを持たれるのは分かっていて、流れではやられなかったけれど、セットプレーでやられました。マリノス戦では前からはめ込もうとしたけれどはまらずに、無駄な追い方が増えてしまいました。仙台戦では守備で奪いに行くときと行かないときをしっかり全員が共有できたことで、まずは守備から入ることができていたと思います」

 複数失点での連敗で見えた課題を、しっかりと仙台戦で回収できたという手応えだ。鹿島戦ではその継続が重要になる。

「実際にやってみないと分からないですけど」とした上で、対鹿島へのグランドデザインとも言うべきイメージを口にする。

「鹿島は前からしっかりとプレスをかけてきますから、攻撃に関しては僕とシン(中谷進之介)が相手フォワードの1列目を突破することで数的優位を作れると思っています。そこから内、外へと出ることを僕がやっていきたい」

 それが攻撃の第一歩としての役割。では、守備はどうだろう。

「こちらが中途半端なことをしたらこぼれ球を拾ってカウンターを仕掛けてきたり、球際に強く来るイメージあるので、そこで負けないことですね。こちらのミスをしっかり得点につなげてくるのが鹿島の強さだと思っていて、僕たちが良い状況でプレーしていても、そこからでも点を取って勝ち切る強さがあるチームです。90分間、ミスが少ない方が勝つのかなと思います」

 具体的には、エースの名を挙げた。エヴェラウド。

「エヴェラウド選手を止めることで鹿島のいいところも消せると思います。アバウトに蹴ってきてその周りで拾うこともあるので、クロスの対応もそうですし、彼にいいプレーさせないことが大事ですね。もちろんクオリティーの高い選手ほかにもいますけれど、僕がマッチアップする回数が多いと思うので、しっかり良い対応ができればと思います」

「エヴェラウドのあと」にも注意が必要だと指摘する。

「僕たちがいいディフェンスをしているところでアバウトに蹴ってきたり、こちらのサイドバックの裏にフォワードが走ってスペースを使われるのは分かっています。それを先取りしておけば先にボールに触れるけれど、そこで中途半端なクリアになれば拾われて二次攻撃を食らってしまいます。前からいいディフェンスがかかっているからこそ、後ろで準備して2列目のラインを越すようなクリアボールを供給できればと思います」

 勝てば暫定で2位に浮上する可能性もある。負けられないのは相手も同じ。激戦必至の90分に、いまからワクワクする。


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